不動産業界の悪しき慣習

レオパレス21が建築した施工不良物件が、5月末時点から6月末時点の1か月間で約3,000棟増え、19,689棟に達したといいます。
物件調査を進めるうちに、新たな不良物件が次々と見つかっています。

一方、改修が完了した物件は5月末時点からわずか13棟しか増えなかった様です。
現在の改修率はわずか4%に過ぎず、今まで調査済みの物件の75%に不備があったことを考えると、今後も調査が進むにつれて更に改修が必要な物件が増えることが予想されます。

レオパレス21では10月末までに改修を終えるとしていますが、とても実現可能とは思えません。
これ以上入居者、アパートオーナーの信頼を裏切ることがないようにして欲しいと思います。

近年、不動産業界に対する信頼が大きく失墜する様な事件が立て続けに発生しています。
この業界に長年関わってきた立場からするととても悲しいことですが、確かに不動産の売買や賃貸の過程で嫌な思いをした経験のある方は世の中に数多くいると思います。

レオパレス問題につながる不動産業界の悪しき慣習

不動産売買は非常に高額な取引であるにも関わらず、物件を契約するまでは親切丁寧に対応されたとしても、引き渡し後に何かあっても手のひらを返したような対応をされたことがある方も多いのではないでしょうか。

不動産取引は数年以内に何度も発生するものではないので、引き渡し後のクレーム対応を丁寧に行っても自分の利益にならないと考える営業マンが多いためです。

こうした不動産業界の悪しき慣習は、決してレオパレスの問題と無関係ではないでしょう。
特にオーナー自ら物件に住むことはないアパート建築では、多くのオーナーの関心は収益に関することがほとんどで、建物の品質よりも「どれだけ賃料収入が得られるか」を問題視します。

私も以前賃貸マンションの現場監督をしていたことがありますが、オーナー立ち合いの完成検査の際に一部屋ずつ室内に入って確認するオーナーはごく一部で、そのほとんどが建物の外周を軽く確認するだけでした。
関心があるのは募集状況や入居率のことばかりです。
一戸建て住宅の建築主と比較して、建物に対する思い入れや愛情はあまり感じられなかったことを思い出します。

しかし建物の安全性や住み心地などは、建築のプロでない限り簡単にわかるものではありません。
また、建築基準法などの法令を満たしているのがあたり前と考えるので、施工会社を信用して任せてしまうのもある面では仕方のないことでしょう。

一方では「建ててしまえば終わり」という不動産業界の構造がレオパレス問題につながっているといえます。
補修工事を誠実に履行しない限り、レオパレスが企業として存続することは不可能です。
そしてこれは単に一企業だけの問題ではなく、信用を失墜しつつある不動産業界全体の問題でもあります。

補修工事がどの様におこなわれるのか、オーナーや入居者に対する補償や責任をどの様に果たしていくのか、
、失った信用をどのようにして回復していくのか、レオパレスの今後の動向に注目していきたいと思います。

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