天井が高くて広いロフトがある中古物件に注意!

今月9日午前5時前に千葉市付近に上陸した台風15号による大規模停電が長期化しています。
私の自宅や事務所がある千葉市中央区では特に大きな被害はありませんでしたが、同じ千葉市内でも多くの被害が発生し、一部ではつい先日まで停電していました。

千葉県内の停電戸数は、本日9時半の時点で48,900戸あるとのことで、東京電力では27日までに復旧できるよう作業を進めているとのことです。

特に多くの被害が発生している千葉県の南房総市や富津市には、弊社でホームインスペクションを行った住宅が多数あるので心配です。
少しでも早く復旧作業が終了するとともに、停電復旧時の通電による家電製品等の漏電や火災などの2次災害が発生しないことを祈っています。

また台風により屋根や外壁に被害を受けた方が、火災保険で詐欺をする悪徳業者に騙されることがない様に十分に注意して欲しいと思います。

さて先月、問題がある木造2階建既存住宅のホームインスペクションを行いました。
設計図書がないとのことで、不動産会社が作成した図面を手に建物の外観を見ると何か違和感が・・・。

2階の上部に窓があります。
不動産会社の担当者によると、立って歩くことができるほどのロフト(屋根裏部屋)があるとのこと。
建物内部を確認したところ屋根裏部屋の天井には傾斜があるものの、高い部分の天井高は1m80cm程度あって、居室としても使用できるほどの広さがありました。

この様な住宅を購入する方にとってセールスポイントにはなりますが、これはいわゆる違法建築になります。

3階建として建築確認を受けていて構造強度や耐火性能の基準を満たしていれば何の問題もありませんが、その住宅は2階建ての基準で建てられている様だったので、あきらかに法令に違反しています。

ロフトの面積や天井高には制限があり、それを超えて建築することは法令で認められていないためです。
2階建住宅と3階建の住宅とでは、建築基準法上の規定が大きく異なります。
特に構造強度や耐火性能の面で、3階建住宅は2階建の住宅よりもさらに厳しい規定をクリアしなければなりません。
規定を満たしていなければ、地震や火災発生時に大きな被害を受ける可能性が高くなります。

小屋裏の用途は物置や収納に限定され、内法の高さ(天井高)は1.4m以内、面積は直下階(この場合は2階)の1/2未満でなければなりません。
また、窓等の開口部を設置する場合にも、目的(換気など)や開口面積の上限が定められていることがあります。

天井が高くて広いロフトは居室として利用されることが多いので、多くの家具や家電などが置かれ、建物上部が重くなるので当然揺れやすく地震に弱い建物になります。

この様な違法物件は、中古住宅市場で時々見られます。
新築当初から違法建築になっている場合だけでなく、リフォームで違法建築になってしまうケースも少なくありません。

本物件は、購入希望者が購入を見送ることになりましたが、不動産仲介会社がそのことに気付いていても、わざわざ教えてくれるとは限らないので注意が必要です。

中古住宅購入は自己責任です。
購入前には、ある程度建築に関しての専門知識を身に付けておく必要があります。
少しでも不安を感じたら、契約前に専門家に相談しておくと安心です。

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