小屋裏のボルトナットの緩み

中古住宅のホームインスペクションで小屋裏を点検する目的は、主に雨漏りや結露が原因と思われる水染み跡やカビの有無、白蟻食害の有無や断熱材の施工状況の確認などですが、その他動物の侵入跡や構造金物の取り付け不良などを発見する事もあります。

特に、火打金物や羽子板ボルト類のボルトのナットが緩んでいる事例をよく目にします。
こうしたナットの締め忘れがあると、「欠陥住宅ではないか?」と不安になる方も少なくありません。
しかし締め忘れたわけではなくても、ナットが緩んでしまう事もあります。

構造金物のナットは可能な限り「増し締めを!」

新築時の構造材の含水率は20%以下という基準がありますが、木材は時間の経過と共に乾燥収縮が始まり、次第に10%前後になります。
含水率が低下すると、木材が収縮してボルトのナットが緩むという現象が起こります。
ナットは通常であれば、上棟作業が終わると大工が締め付けを行うのですが、引き渡しが終わって時間が経つと多少の緩みが生じてしまうのです。
近年ではスプリングワッシャーを使用する事でナットが緩みにくくなっていますが、締め付けが十分に行われていないケースもあります。
本来であれば引き渡し後に点検を行い、作業可能な部分は増し締めを行うと良いのですが、引き渡し後の定期点検でこの様なサービスを行っている住宅会社は少ないようです。

また明らかに新築当時の締め忘れと思われる事例もあります。
意図的なものかどうかはわかりませんが、小屋裏は人目につきにくい部分でもあるため、手を抜きやすい部分です。
完成してしまうと、ホームインスペクションでも行わない限り建築主が気付く事はありません。
こうした部分は住宅会社の現場管理者が、建築中にしっかり管理しなければいけません。
リフォームを行う際などにリフォーム会社に依頼して、併せて小屋裏の点検や増し締めを依頼するのもひとつの方法です。

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構造金物のナットの締め付け不良

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明らかに工事中にナットを締め忘れた例

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