建築現場調査の省力化

私は現在、ホームインスペクションの仕事の合間に、企業様の住宅・リフォーム事業のビジネス相談に応じるスポットコンサルのアドバイザーとして活動しています。

新規事業の立ち上げや住宅会社の人材育成などのお手伝いをすることで、自分の今までの経験を必要としてくれるという事に対して、仕事へのモチベーションアップになると共に、今の仕事に対してより高いレベルを目指す良いきっかけにもなっています。

さて、近年は住宅診断でもドローンや床下点検ロボットが使われるケースが珍しくなくなってきました。
危険な作業、手間のかかる作業は人の仕事ではなくなりつつあります。
ここ数年の建築現場の省力化の流れは、目を見張るものがあります。

そんな中で、ライカのスマホ型計測機器が日本で発売されました。
スマホで写真を撮るのと同じ要領で対象物を2台のカメラで撮影し、生成した画像上の任意の2点を選択するだけで2点間の寸法が求められるといいます。

現場では撮影するだけで、データをパソコンに移してオフィス内で計測することもできる様です。
これを上手に活用すれば、面倒だった建築現場での現場調査の手間が大幅に省力化できそうです。
サイズは一般的なスマホよりも一回り大きい程度で、対象迄の距離が近ければ計測誤差は数ミリ程度といいます。

私は長年の間、住宅リフォームに携わってきましたが、図面がないことが多いリフォーム現場の現地調査では、採寸作業だけでも2時間以上かかることも珍しくありませんでした。
採寸に誤りがあると、リフォームのプランニングや見積金額に与える影響が非常に大きいので、とても気をつかう大変な作業でした。
またうっかり採寸し忘れて、後日改めて採寸に行くこともありました。
この計測機器を使用すれば天井裏や床下に侵入しなくても、点検口から覗いて撮影するだけで構造材などの寸法が計測できると思います。

現場経験が少なく「どこをどう採寸・計測すればよいのかわからない」という人でも、現場で撮影するだけで良いので、建築やリフォーム、測量などの知識は必要ありません。
今後建設現場やリフォーム現場で普及する可能性が高いでしょう。
販売価格は70万円(税別)だそうですが、それ以上の価値があるかもしれません。

ただし、ドローンや診断ロボット、計測機器などの便利なツールがあったとしても、最終的な判断を行ったり依頼者にわかりやすく説明したりするのは人間です。
新築・リフォームでも住宅診断でも、住宅に携わる者は心のこもった仕事をすることがますます大切になると思います。

1[2]
ライカジオシステムズのスマートフォン型計測機器「Leica BLK3D」
長さ18cm×幅7.7cm×厚さ2.7cm

千葉市のホームインスペクション専門会社匠住宅診断サービスTopへ戻る