国の長期優良住宅化リフォーム推進事業とインスペクションの役割

長期優良住宅化リフォーム推進事業をご存知でしょうか。

この事業は良質な中古住宅の流通を促進することを目的として、インスペクション、性能向上のためのリフォーム及び適切なメンテナンスによる住宅ストックの長寿化を図る優良な取り組みに対し、国が事業の実施に要する費用の一部について支援するというものです。

国の長期優良住宅化リフォーム推進事業について

reformtyouki

補助金額はリフォーム工事費用の1/3 かつ最大100 万円/戸(一部200 万円/戸)で、既存の戸建住宅、共同住宅が対象となります。(事務所や店舗等の住宅以外は対象外となります。)平成26 年度予算は31 億円でした。

もう少し解りやすく説明したいと思います。要件となるのは次の3 点です。

  1. リフォーム工事前に一定の要件を満たすインスペクションを実施する事
  2. 住宅の性能を向上させるためのリフォーム工事を行い、工事後に一定の水準を満たす事
  3. リフォーム履歴及び維持保全計画を作成する事

申請は発注者またはリフォーム工事の施工業者が行うものとなっています。
1 ~3についてさらに具体的に説明します。

補助金対象となるホームインスペクションは、「長優リフォームインスペクター」が行ったインスペクションである事。「長優リフォームインスペクター」名簿は日本ホームインスペクターズ協会ホームページで公開されているのでご覧ください。

弊社でも補助金対象となるインスペクションが可能です。

また、インスペクションにより劣化事象が指摘された箇所については、以下のいずれかの措置をとる必要があります。

a. リフォーム工事の内容に含めること
b. 維持保全計画において、今後の補修時期または次回の点検時期を明記すること

補助対象

補助対象となるのは下記の通りです。

a.劣化対策、耐震性、維持管理・更新の容易性、省エネルギー対策、可変性、バリアフリー性等の特定性能向上のための工事です。(可変性、バリアフリーは共同住宅のみが対象)

ただし、各性能項目について一定の基準があり(S 基準、A 基準)、劣化対策、耐震性についてはリフォーム後にA 基準に達している事が要件となっています。

耐震性のA 基準とは、耐震診断による評点が1.0 以上である事等が必要です。リフォーム前にすでにA 基準に適合している場合は、必ずしも工事を行う必要はありません。
また、その他の項目については必ずしもA 基準に達することは要しないが、S 基準又はA 基準への対応度を考慮するとしています。

b.インスペクションで指摘を受けた箇所の改修等その他性能向上工事
※工事費の上限はa の工事費となります

c.インスペクション費用、リフォーム履歴作成費用、維持保全計画作成費用等

保存する主な履歴情報

工事完了後、保存する主な履歴情報は次の通りです。

a.現況検査チェックシート(インスペクションを行った際のチェックシートです)
b.リフォーム工事箇所を示す図面
c.リフォーム工事の写真
d.リフォーム工事に関する図書(見積書、詳細図面等)

その他

工事完了後に維持保全計画を作成する事となっています。

上記の様に現在、ストック重視の住宅政策への転換を図るためにインスペクションの普及・促進を国をあげて推進しています。今後インスペクションの認知度が一層高まっていく事が予想されます。

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