中古マンションの断熱性能

東京都が、旧耐震基準で建てられた大規模建築物などの耐震診断結果と建物名を公表しました。
大地震で倒壊する危険性が高いと分類された建築物には、六本木の「ロアビル」や新宿の「紀伊國屋ビル」など、学生時代から馴染みのある建物がたくさん含まれている様です。

さて、中古マンションを購入して、自分のライフスタイルに合わせたリノベーションを行う方が徐々に増えている様です。
しかし築年数の古いマンションでは、現在の新築マンションと比べて断熱性能が劣っているため、それまで築浅の賃貸マンションに住んでいた方などは、そのまま入居すると冬の寒さや結露に悩まされるケースが少なくないと思います。
中古マンションのリノベーションをお考えなら、断熱改修は絶対に外して欲しくないメニューです。

中古マンションは、築年数によって断熱仕様に違いがあります。
築年数による断熱仕様の傾向を知っておくと、リノベーションを行う際の参考になると思います。

築30年以上の古い公団型のマンションなどは、ほぼ断熱材が入っていないと考えて良いでしょう。
コンクリートの壁に直接ビニールクロスが貼られている場合などです。
特に北側の部屋の外壁面は、結露によってカビが生えやすく、健康被害を受ける恐れがあるので、断熱工事を検討する必要があります。

築15年~30年のマンションでは、薄い断熱材が裏打ちされた石膏ボードを使用している事が多いと思います。
ボードの継ぎ目から、壁の内部に室内の暖かい空気が入り込むと、急速に冷やされて結露し、カビが発生します。
防湿対策が不十分で、断熱性能も低いと思って良いでしょう。

築15年未満のマンションでは、外壁に面する室内側のコンクリート壁面に、ウレタンフォームを吹き付ける断熱工事がされている事が多い様です。
比較的断熱性能が高いといえますが、施工不良があると部分的に結露が発生します。
また、リフォームなどが原因で、断熱材に不具合が生じているケースもあります。

断熱工事を依頼する際には、経験豊富な業者へ

また、同じ断熱施工が行われていても、1階や最上階、角部屋は結露しやすいので注意が必要です。
中古マンション購入後に内装リフォームをする場合には、併せて断熱改修を検討する事をお奨めします。
せっかくリノベーションを行っても、こうした見えない部分に手を抜くと、快適な生活は望めません。
住んでみてから寒さ対策や結露対策をしようと思っても、家具の移動などが必要になり、費用も工期もかかってしまいます。

そして、断熱材はただ入っていれば良い訳ではありません。
断熱材の施工が隙間だらけだったり、防湿対策に不備があると、せっかく工事してもあまり効果が得られないので、工事は信頼できるリフォーム会社に依頼する必要があります。
仕上がってしまうとわからなくなってしまう部分なので、十分注意したいところです。

img_3257[1]
断熱材は外部に面する部分のみでなく、1m程度折り返した部分まで施工するのが良い施工法
また、写真の様なスタイロフォームを使用する場合には、3種を使用する

千葉市のホームインスペクション専門会社匠住宅診断サービスTopへ戻る