異業種からのリフォーム・リノベ市場への参入

異業種からのリフォーム・リノベーション市場への参入が相次いでいます。
近年の傾向としては、住宅設備・建材メーカーや不動産仲介会社、家電量販店、ホームセンターなど住まいと何らかの関係がある会社だけでなく、住宅とあまり関係のない業種からの参入が目立つ様になりました。
アパレル業界や物販業からの参入は今や珍しくはなくなりました。

そんな中で、世界最大のECサイトとされるAmazonや国内EC大手の楽天、ポータルサイト大手のYahoo!などの参入には、既存のリフォーム会社は脅威を感じているかもしれません。

これらの会社が提供するサービスは、従来のリフォーム会社ではわかりにくいとされてきたリフォーム費用を全国一律の定額販売や追加費用なしなどとして徹底して価格の透明化をはかっています。
従来のリフォーム会社の発想とは全く異なる目線からものごとを見ています。
こうした顧客目線でのサービスの提供を目指すことで、ECサイトが提供するリフォームは一定の支持を得ている様です。

ECサイトのメリット、デメリットとリフォーム定額販売の問題点

しかし住宅リフォームは対象となる建物の状況や施工条件が1軒ごとに異なる上に、肝心の施工は自社で行わずに全国の提携会社や職人に依頼して行うので、工事品質のバラツキや、手抜き工事などが懸念されます。
リフォームには注文者にとっても工事を定額化することによる弊害があることを知らなければいけません。
ここでは詳しい事は話せないので、また別の機会にお話ししようと思います。
(弊社にリフォーム工事の見積チェックを依頼されたお客様には、このような事情を詳しくご説明させていただいております。)

従来からリフォーム工事を行ってきた業者であれば、定額販売によるこうしたトラブルの発生は予見できるはずです。
実際にECサイトが提供するリフォームでは、工事品質に関するトラブルがしばしば報告されていると聞きます。

2017年には、リノコを手掛けていたゲーム企業グリーがリフォーム市場から撤退しました。
リノコはインターネットを武器に「商品+工事+保証」をセットにしたコミコミの定額販売を仕掛けて、一時は急成長のリフォームWEBサイトとして広く注目を浴びました。
しかしグリーは昨年、「リノコ」を運営する子会社の株式を譲渡してリフォームのネット販売事業から撤退しています。
撤退の理由は、今後メディア事業に注力していくためとしていますが、本当の理由は別にあると思います。
売り上げは急成長でも純利益は赤字だったといわれており、この事業が一筋縄ではいかないことを示しています。

私は20年以上、住宅会社でリフォーム事業の統括責任者をしていましたが、決して甘い世界ではありませんでした。
この業界は完全に労働集約型のビジネスモデルなので、口で言うほど合理化するのは簡単ではありません。
顧客満足を追求しようとすればするほど、人件費などのコストはどんどん膨らんでしまいます。
まだまだ経験とスキルがモノ言う世界です。
もしも私の身近な人から、ECサイトが提供するリフォームを選択するかどうかの相談を受けたら、現時点での答えは「NO」です。
しかし依頼する側にとっては、選択の幅が増えることは決して悪いことではありません。
どこかの会社と手を組むことによって、将来ECサイトがリフォーム市場で最も高いシェアを占める様になることもあるかもしれません。
ECサイトの動向には今後注目していきたいと思います。

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