「隠れた瑕疵」をめぐるトラブル

中古住宅の売買では、時々「隠れた瑕疵」をめぐって売主と買主とでトラブルが発生します。
そもそも「隠れた瑕疵」とはどんな事を言うのでしょうか。

「隠れた瑕疵」とは、一般的には目に見えない瑕疵と認識されていて、すでに目に見えているものは「隠れた瑕疵」にはならないと思われている方が多い様ですが、これは正しくありません。

引き渡し後に発見された雨漏りは、買主がその事実を知らなければ隠れた瑕疵になります。
では、室内の天井の壁紙にシミがあったのを知っていながら物件を購入したが、入居後に染みの原因が雨漏りによるものだった事が判明した場合はどうなるのでしょうか。

売り主は、シミがある事を知った上で購入したのだから、「隠れた瑕疵」ではないと主張するでしょう。
しかし、シミの原因が雨漏りであることを買主が知らなければ、壁紙にできたシミは「隠れた瑕疵」になります。
同様に、基礎にひび割れが数多く発生している事を知りながら物件を購入した場合でも、購入後にひび割れの原因が建物の不同沈下にある事がわかり、それを購入前に買主が知らなかった場合には「隠れた瑕疵」になります。

「隠れた瑕疵」とは?

「隠れた瑕疵」とは目に見えない瑕疵をいうのではありません。
目に見えていて買主が知っていた事でも、その事象の原因やそれによる構造躯体への影響を知らなければ、隠れた瑕疵になるのがポイントです。
また目に見えていたとしても、買主が通常の注意を払っていても気付かないものは「隠れた瑕疵」になるので注意が必要です。
さらに事故物件などの心理的な瑕疵も、事前の説明を怠ると「隠れた瑕疵」になります。

ホームインスペクションでは、屋根裏や天井などにできたシミ、基礎のひび割れの幅や数、建物の傾きの計測などから、雨漏りや建物の沈下等の重大な瑕疵がある可能性の有無を判断しますが、それを断定する事はできません。

トラブルを避けるためには、ホームインスペクションで「隠れた瑕疵が存する可能性が高い」と判定された場合には、物件購入を見直すか再度詳細調査を行う事をお奨めします。
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