木材のひび割れと強度低下について

ホームインスペクションを行っていると木材のひび割れについてのご質問を受ける事があります。
天井点検口から覗いて見える梁や屋根を支える母屋にひび割れが発生しているためです。
これはほとんどの場合が乾燥による「干割れ」といわれるもので、ほとんど強度に影響する事はありません。ひび割れは木材が空気中の水分を吸収したり放出したりする事により、木の細胞が膨張・収縮する過程で発生します。時々天井裏や床下から聞こえてくる「ビシッ、パキッ」というあの音です。特に空気が乾燥している冬に起きる事が多く、木が割れている時に出る音です。
木材は乾燥するほど強度が高くなる性質なので、干割れを重ねるにつれ強度を増していくとも言えます。

ただいくら強度に影響がないといっても、実際にひび割れを目にすると不安になるのは仕方のない事です。
意匠を重視する傾向が高くなった現在では、視覚的にも決して良いものではありません。
そこで現在では多くの住宅会社がひび割れしない集成材を使用したり、無垢材を使用する場合でも人工的に乾燥させた木材を使用して、割れや反りの発生をできるだけ抑えています。
また、柱が見える和室等では「背割り」といって柱の見えなくなる面に幅5mm、深さ5㎝程度の鋸目をあらかじめ縦方向に入れ、干割れを抑える技法が古くから用いられています。
この様にする事で柱の中心部の水分を素早く蒸発させ、他の面に割れが起こらない様にしているのです。
写真は梁の干割れの状態と柱の背割り(上側)と干割れ(下側)の状況です。
梁の干割れ

背割りと干割れ

木材のひび割れは強度低下の原因にならないのか?

「背割り」は大壁(壁の中に柱が隠れて見えない洋室等)で使用される柱や横架材(梁や大引き、土台等)
には一般的には行わないので、ひび割れは避けられません。
背割りや干割れはほとんど強度に影響を与えないとされているので、さほど心配する必要はありませんが、貫通割れ
(断面を貫通する割れ)や、接合部や接合金物付近に生じている割れは強度低下につながる
恐れがあるので要注意です。
この様な割れが生じている場合にはその部分を交換するか、樹脂系の接着剤を注入して補修します。

築年数の経過した中古住宅では新たなひび割れが発生する可能性は低いですが、すでに梁や桁、母屋
等にひび割れが生じている事は多いと思います。
ひび割れが表面上のものであれば特に心配ありません。

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