新年の抱負

明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。

さて新しい年を迎え、今後はライフサイクルエネルギー削減の観点などの社会的要請からも、我が国では当たり前の様に行われてきた住宅の「スクラップ&ビルドシステム」の崩壊がますます加速していく事を期待しています。

まだ十分に使用可能な建物を解体して建て替える方法は、建築資材の大量消費や産業廃棄物の発生などの面で、ライフサイクルエネルギーの浪費になります。
国内においては、これまでの大量生産、大量消費の建物を無批判に受け入れる事を見直す時期にきています。

建物を適切にメンテナンスしながら、また必要によってはリフォームしながら長く住み続ける事は、空き家対策の上でも重要です。
また一般のサラリーマンが常に住宅ローンを抱えて、豊かさを実感することなく一生を終える事も少なくしたいものです。

国内の住宅会社は、長い間スクラップ&ビルドの方法で恩恵を受けてきました。
そして住宅は30年もてばよいとの考えで家を建て続けてきました。
デザイン優先でメンテナンスに対する配慮不足の住宅も相変わらず多く見かけます。
しかし人口減少が確実なこれからは、「ストック住宅」の建設が不可欠です。
また建築主が適切なメンテナンスを継続して行えば、長く住み続けることは決して難しい事ではありません。

これからの建築技術者の使命

建物を的確に診断して、ユーザーが理解しやすいメンテナンスやリフォームを提案する事はこれからの建築技術者の使命だと思います。
古い家を見ればすぐに建て替え以外の選択肢がないというのでは、もはや建築技術者として失格です。
しかしいくら建物のメンテナンス知識はあっても、ノルマに追われた住宅会社の技術者は当然、利益が上がる建て替えを提案することになります。
でもそれでは長期的視点でみれば、決して住宅業界のためにはならない事に気づかなければならないのです。
建築技術者には、このような社会的要請を理解した上で最も適正な提案が求められるようになる事を願います。

今年も住宅のメンテナンスに対する啓蒙活動と、現場の劣化状況に応じた適正な対応を提案出来る様、心がけていきたいと思います。

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