中古住宅売買時の売り主のリスク

昨年末にテレビ東京「ガイアの夜明け」がレオパレス21を告発しました。
賃貸住宅のサブリースに対する不安が全国に広がっている様です。
しかしこの問題は、すでに数年前から発生していました。
これだけ空き家が増え続けているのに、30年も空室保証するなどありえない話です。
不動産投資には他の投資と同様に、常に大きなリスクが伴います。
これ以上被害が拡大しない事を願いたいと思います。

さて、中古住宅の売買にともないリスクを負うのは、買主ばかりとは限りません。
実は売主にもリスクが存在します。

引き渡し後に雨漏りや水漏れ、白蟻被害などが発見された場合、買主はそれらを発見してから1年以内であれば売主に損害賠償を請求する事ができます。
これを売主の瑕疵担保責任といい、特段の取り決めがない場合には、たとえ引き渡し後10年以上経っても、買主は瑕疵(隠れた部分の欠陥)を発見してから1年以内であれば売主に損害賠償を請求する事が可能なのです。

しかしこれでは築年数が経過した中古住宅では、売主にとってリスクが大きすぎるため、一般的には売主の瑕疵担保責任期間を引き渡しから3か月程度とするのが一般的です。
(売主が瑕疵担保責任を負わないとする契約も有効です。)

ただしこれには条件があります。
売主は雨漏りや水漏れ、白蟻被害などの不具合がある事を知っていた場合には、あらかじめ買主に申告しておかなければなりません。
買主にしっかりと申告した上で売買契約を行えば、買主は欠陥を知った上で購入した事になるので、後から損害賠償を請求する事ができなくなります。

売り主が行うホームインスペクションのメリット

そうはいうものの、売主が住まいの不具合を全て把握しているとは限りません。
売主の知らないところで雨漏りや水漏れ、白蟻被害が発生している事もあります。
この様な不具合がないと買主に申告していて、売主の損害賠償責任期間を過ぎてから不具合が発覚すると、売主が知っていたかどうかを巡ってトラブルになるケースが非常に多い様です。
(※前回のホームインスペクションガイド参照)
売主が知っていたにしても本当に知らなかったとしても、それを証明するのは非常に難しい事です。

こうしたトラブルを避ける上で、事前にホームインスペクションを行っておく事は売主にとっても有意義です。
インスペクションを行って売主が知らなかった不具合が発見されれば、売買の取引をする上で不利になると思いがちですが、万一インスペクションで不具合が見つかった場合でも買主にあらかじめ伝えておけば、後々のトラブルを回避でき、買主から損害賠償を請求される心配がなくなります。
また、買主も安心して物件を購入する事が可能になるので、物件の差別化にもつながります。
スムーズな取引を行うためにも、物件を売却する前にホームインスペクションを検討してみるのも良いと思います。

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