住生活において、消費者と住宅事業者との間に立ち、取引をより対等かつ円滑にするために消費者の代理人機能を果たす事業者が増えているといいます。コンサルティング業や第三者的な建物検査などを手掛ける我々のような会社もこの中に含まれる様です。
(この様な事業者を住生活エージェントと定義しています。)
しかし、多種多様な消費者エージェントが登場すると、サービスの品質に格差が生じるなどの問題も明らかになってきたといいます。そのため、経済産業省と三菱総研は、2006年3月に「住生活エージェントのガイドライン」を定め、提供するサービスの具体例などを提示しています。
私共は常にガイドラインに基づいたサービスをご提供するだけでなく、常にそれ以上のサービスを心掛けています。
さて、時々中古住宅を購入された方から、電話相談を受ける事があります。
物件案内の時には気付かなかったが、実際に住んでみると気になる事が見つかるのは決して珍しい事ではないでしょう。
昨年一年間で受けたご相談には、次のようなものがありました。
・以前住んでいた賃貸マンションよりも冬寒くて、暖房費がかかる。
・結露が酷く、入居後にカビが発生した。
・強風で家が揺れる。
・屋根裏を覗いて見たら、梁がひび割れしていた。
・天井に染みがある。雨漏りではないようだが・・。
・耐震強度が不安。
・同じ区画内で同じ会社で建てた家が傾いた。
・白蟻予防工事を行おうとしたら、業者から侵入できない部分があるので、一部基礎を壊して侵入すると言われた。
・2階の洋間にピアノを置いても大丈夫?
・基礎のひび割れを自分で補修する方法
・雨漏りの形跡があるが大丈夫なのか? などです。
電話でのご相談にもできる限り対応させていただいていますが、電話で話すだけで回答できるものもあれば、図面や写真を送付してもらって資料を見ながら回答したもの、一般論ではお答えできても、正式には現場を見ないと回答できないものなど内容によって様々です。
相談事を聞いていて感じるのは、住まいに関して不安を感じている方がたくさんいると言う事。そしてそれを相談できるところが少ないという事です。
新築住宅であれば建築した住宅会社やハウスメーカーに相談できても、中古住宅や分譲住宅の場合は、不動産会社に相談してもなかなか納得できる説明が受けられない様です。地元のリフォーム会社などに相談しても、必要のない工事を奨められそうで気が引けてしまうでしょう。
公的な相談窓口としては、住宅リフォーム・紛争処理支援センターの住まいるダイヤルや行政の住宅相談窓口などがありますが、そこでホームインスペクターの存在を教えられ、お問い合わせをいただくケースもある様です。
中古住宅購入後の「困り事」にもお応えします
住宅はこの先何年も所有していくもの。点検やメンテナンスは欠かせません。
専門家による定期点検やメンテナンスを受けられないのではこの先益々不安になるでしょう。
中古住宅市場が活性化するためには、購入した後もこの様な心配事を解決してくれる相談先が絶対に必要です。
私達ホームインスペクターは建物診断が仕事ですが、この様な悩みを持つ方の不安を解消するためのアドバイスを行う事も大切な使命だと思います。
住宅のつくり手側と住まい手側にある情報格差を解消するサービスの提供も必要になるでしょう。
全て無償という訳にはいきませんが、簡単なご相談であればできるだけお答えしていきたいと思います。
(ただし、匿名でのご相談にはお答えできませんので、ご了承願います。)