三菱自動車の燃費データー不正問題が拡大しています。燃費のみでなく、排ガス量に影響する可能性もあって、法令で定める安全基準に違反すれば、国内での販売ができなくなるばかりか、すでに販売された車両も道路を走れなくなる恐れもあると言われています。
以前から自動車メーカーの不正はマスコミやニュースなどでも厳しく報じられ、様々な社会的制裁を受けてきました。
それと比較して、住宅業界の不正に対してはどうなのでしょうか?
確かにマンションでの耐震偽装問題や、杭打ち問題は、マスコミでも大きく取り上げられてきました。
しかし、個人住宅の耐震性能や省エネ性能に不正があった場合、これほど大きな問題として取り上げられるのか疑問です。
住宅メーカーの省エネ不正
住宅メーカーの省エネ不正は本当にないといえるのでしょうか?
「高気密・高断熱・省エネ」をうたいながら、実際には夏は暑く、冬は寒い住宅の話をよく耳にします。
住宅の断熱性能を比較する際に、住宅メーカーではC値とQ値という指標で示しますが、そもそも熱損失係数(Q値)は間取りや使用する材料によって変わってしまうものです。住宅メーカーでは、より良い数値となるように、各社各様のモデルプランで計算したものを公表しています。
また、もう一つの指標であるC値(隙間相当面積)も、計算ではなく、あくまで施工の良し悪しで決まるもので、測定してみなければわからないものです。実際に現場で測定した時に、カタログ通りの数値になるかどうかはわかりません。
この様に住宅メーカーが公表している数値は、ひとつの目安にはなりますが、性能を保証するものではありません。
カタログや販促ツール等で、断熱性能を過剰に表現し過ぎていないのか、住宅業界でもこれを機会に見直す事が必要でしょう。