新たに購入した投資用賃貸物件のリフォーム前に行うべきこと!

千葉県のホームインスペクション専門会社匠住宅診断サービス代表の亀田です。

世界的に木材価格が高騰する「ウッドショック」の影響が広がっている様です。
その影響は国内需要の6~7割を輸入に頼っている国内においても例外ではなく、木造住宅の柱などに使用する集成材は半年前の2割ほど値上がりし、夏場には2倍になるとも言われています。
新型コロナウイルスの影響やコンテナ不足による輸送費の値上がりによるものと思われますが、今後の住宅建築にも大きな影響がありそうです。

さて、先日投資用の中古アパートを購入後にリフォーム工事を行ったお客様からの相談がありました。
工事が約束した工期よりも大幅に遅れた上に打ち合わせと異なる施工が多く、素人目で見ても不具合が目立つので、引き渡し前に一度現場を見て欲しいとの事でした。

投資用物件のリフォームは、お金を掛けてリフォームしても予定していた賃料で必ずしも入居者がつくとは限らず、その上築年数が古い場合には、どこまでリフォーム資金を投入すれば良いのかを判断するのが非常に難しいものです。
そのためできるだけ安く、かつ見映え良く仕上げようとするのが普通ですが、あまりにもコストばかりを意識しすぎてしまうと業者選択を誤ってしまいがちです。

複数の業者から相見積もりをとり、見積金額を比較検討した上で業者を選定する方法は決して間違いではないのですが、金額の安さのみにこだわってしまうと失敗してしまうケースが多い様です。
私は過去に何度もこの様なリフォームを行って失敗してしまった方からの相談を受けました。

今回のケースも同様で、見積書の明細といえるものや図面などの資料はほとんどなく、見積金額の安さのみで業者を選んでしまったことが失敗の原因でした。
打ち合わせは全て口約束のみで、ほとんど何の記録も残っていません。
自宅のリフォームであればもう少し細かな部分まで検討するであろうことも、賃貸物件なのでついリフォーム会社の都合が良い様に施工されてしまっていました。
壁紙や床材の貼り換えなどの表層だけのリフォームであればそれでもまだ良いのですが、築年数が古い物件の場合には下地の補強・調整や設備の更新などが絡むことが多く、事前に建物の状態を良く把握しておかなければすぐに入居者からクレームを受けてしまうことにもなりかねません。
したがってリフォーム会社には入居者需要に合わせたリフォームを提案するだけでなく、建物の劣化具合を十分に把握することが求められます。
また必要に応じて雨漏りや水漏れに対する対策も必要になるでしょう。
リフォームして内装は綺麗になったとしても、いざ貸し出すと雨漏りや水漏れが発生して入居者とのトラブルになることも築年数が経過した古い物件では決して少なくありません。
この様にリフォームが成功すれば資産価値が高まる一方で、失敗するとオーナーにとって大きなダメージにもなりかねません。
自分が住まないからこそ、信頼できるリフォーム会社に依頼することが大切になります。
たとえ投資用の賃貸物件であっても、見積金額の安さだけで業者を選ぶことがない様にすることが大切で、事前に第三者による住宅診断を行っておくと安心です。

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