建築工事の適正価格とは?

住宅を新築するにしても、リフォームするにしても、誰もが適正価格で工事を発注したいと思うはずです。
では、適正価格とは一体何でしょうか?何を目安に判断して、いくらなら適正価格といえるのでしょうか?

建築工事の見積もり金額は、新築でもリフォームでも「資材費+労務費+管理費+住宅会社の経費+住宅会社の利益」で構成されています。

この中の資材費と労務費、管理費は建築工事を行う上で欠かす事はできません。
資材費と労務費は、それぞれの会社の仕入れや発注努力、下請け業者、工期等によって変わるものですが、特殊な技術を要する工事でもない限り、3割以上違うという事はほとんどないと思います。一般消費者は、市場に流通している単価やメーカーの設計価格などを目安に判断する事が多いでしょう。
管理費も会社の管理体制によって若干異なるものですが、会社による大きな違いはないでしょう。
上記の理由から、建築工事を行う上で欠かす事ができない資材費+労務費+管理費では、さほど大きな違いは生じないものです。

一方、住宅会社の経費は、広告宣伝費やモデルハウスの維持費、パンフレットや販促ツールなど、大手になるほど高額になる傾向がありますが、住宅会社にとって会社を運営していくためには不可欠なものです。
大手の住宅会社の安心感を得たいならば、多少高額になる経費の支払いは覚悟しなければなりません。

そして、住宅会社の利益は、文字通りそれぞれの会社が欲しいだけの利益を見積金額に加えるものなので、会社によって大きく異なります。
ローコストメーカーであれば薄利多売で良しとしますし、いわゆるボッタクリ会社であれば他の会社の2倍、3倍の利益を上乗せします。
また、大手だから高額になるとも限りません。
いくら以上利益をとってはいけないなどの法律があるわけでもないので、会社によって大きな差が生じます。

住宅の適正価格は人によって異なるもの。

以上の様に、建築工事の適正価格には特に定義があるわけではないのです。強いていえば、建築工事に欠かせない資材費+労務費+管理費に、建築主が支払っても良いと思える住宅会社の利益や経費を加えた金額の事だといえるかもしれません。適正価格は様々な情報を元に建築主が判断するもので、建築主が支払いたくなければ、それはその人にとっての適正価格ではないのです。
他社と比べて高い、安いとは言えても、決して住宅会社の方から「当社の価格は適正価格です」などといえるものではありません。どれだけの利益を適正利益としているのかは、会社によって異なるものだからです。

適正価格で建築工事の発注を行うためには、まず工事原価を把握する事によって、住宅会社の経費や利益を知る事が必要になります。
専門家に依頼すれば、ある程度の工事原価を把握する事は可能です。工事原価にどれ位の経費や利益が上乗せされているのか、それらの経費や利益を支払ってでもその会社に発注する価値があるかどうかの判断は人によって異なるものでしょう。価値を認められないものにたくさんのお金を支払う事にならない様、見積書の検討には十分注意が必要です。

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