新築住宅の場合、一戸建でもマンションでも保証期間が設けられています。そして新築住宅を建築後または購入後には、その住宅を建築したハウスメーカーや工務店、売主が定期的に点検を行うのが一般的で、1年点検・2年点検・5年点検・10年点検等があります。(点検を行う時期は会社によって異なります)
2年目の定期点検は特に重要
定期点検で発見された不具合は、保証期間内であれば無償で修理してもらう事ができます。
住宅の保証期間は、雨漏れや構造的な欠陥、水漏れ等の重大な瑕疵以外は2年間となっている事が多いので、保証が切れる2年の最後の日までに行われる点検は特に重要です。保証期間を過ぎてからの不具合の修理や補修は全て有償となってしまうからです。
しかし中には、その権利を自ら放棄してしまう方もいます。私が以前勤務していた会社のお客様の中にも、毎日生活していて何の支障もないからとの理由で、定期点検を受けられない方もいました。もちろん建物には経年劣化があるので、全ての劣化について無償で対応してもらえる訳ではないのですが、保証が切れる前に専門的に見て不具合や欠陥の有無を調査してもらう事は重要です。例え現在は不具合がなくても、劣化予防対策や建物のメンテナンスについてのアドバイスを受ける事もできます。何でもないからと安心していて、保証期間を過ぎた頃になって不具合が見つかる事も決して珍しくはありません。
さてここで問題となるのは、定期点検を行う施工会社や売主と、住宅所有者との利害関係が一致しない事です。
例え点検で不具合が発見されたとしてもそれが直ちに日常生活に支障を与えるものでない場合、事実が正確に報告されるかどうかはわかりません。
また住宅所有者から気になる点を指摘したとしても、その内容が通常発生する経年劣化の範囲なのか、施工ミスなのか、修理すべき不具合なのかは専門家でないと判断できません。本来補修すべき事柄であっても、特に問題はないと受け流されてしまう可能性もあります。
万一その様な疑問や不安が生じた場合には、第3者に住宅点検を依頼する方法もあります。住宅会社とは異なる視点から建物の維持管理やメンテナンスに関するアドバイスや提案を受ける事も可能です。
保証期間が過ぎた後のリスク回避のためにも、見落としなどない様、定期点検をおざなりにしないで欲しいと思います。
また、会社によっては保証が切れる直前の点検を行っていない事もあるので注意してください。
※弊社でもこの様なご相談も承りますので、お気軽にお問い合わせください。