高気密高断熱住宅の盲点。 Q値、C値とは?

これから家を建てようと思っている方やリノベーションを計画している方は、高気密高断熱住宅という言葉を聞いた事があると思います。
いかにも気密性や断熱性に優れた高性能な住宅で、「冬暖かくて夏は涼しい」快適な住まいというイメージですが、実はどの数値をもって高気密高断熱
住宅というのか基準となる数値が明確になっている訳ではない事はあまり知られていません。
パンフレットでは高気密高断熱住宅と謳っていても、従来からある住宅と大差がないという事も有り得るのです。
一般的には次世代省エネルギー基準がひとつの目安にはなっている様です。
次世代省エネルギー基準とは、平成11年に地球温暖化防止のためCO2排出量6%削減を目標に策定された基準ですが、もう15年以上前に定められた基準です。しかしこの基準を満たした新築住宅はわずか30%程度との調査結果もある様で、まだまだわが国の住宅の断熱性能は低いのです。

ハウスメーカーのカタログのQ値、C値は信用できるのか?

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次世代省エネルギー基準で定められる性能には、家全体の熱の逃げる割合を表すQ値(熱損失係数)や家の気密性能を表すC値(隙間面積)等があります。
いずれも低い方が性能が良いのですが、地域ごとにQ値とC値の基準値が設定されています。
ハウスメーカーのカタログやパンフレットにもQ値やC値が掲載されています。しかしそれはあくまでモデルプランでの設計上の理論値である事が多く、
実際にその数値を保証するものではありません。というのも家の形状や窓の面積、換気量といったものに大きく左右されてしまうからです。
Q値は建物の形状が正方形で、2階建てなら総2階のものが最も低くなります。また窓は小さめで、引違窓やルーバー窓よりも開き窓やオーニング窓の方
がQ値を低くする事ができます。

そして、施工の精度によっても大きく性能に違いが生じてしまう事は言うまでもありません。
したがってカタログやパンフレットの数値ばかりに気をとられ過ぎてしまうと、家を建てる際に重要なハウスメーカーや工務店の施工能力や品質管理
能力に気がまわらなくなってしまいがちなので注意が必要です。

ホームインスペクションを行っていると、断熱工事がおざなりになっているケースをたびたび目にします。作業を行う大工さんも、現場を管理する
現場監督も断熱工事に対する意識がまだまだ低いのです。実際に断熱工事の不具合は非常に多くの中古住宅で見受けられます。
完成してしまうとほとんど見えなくなってしまう部分なので、建築会社の施工の質の高さや、丁寧さ、気遣いが求められます。
カタログ上の数値だけでなく、総合的な判断で建築会社を選んで欲しいと思います。

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