たくさんの日本人が熱くなったリオ五輪も終わり、2020年の東京オリンピックへの期待が高まります。
現在はパラリンピックが開催されていますが、毎日の様に日本人選手の活躍が報道されています。
豊洲市場の問題がオリンピック開催の障害にならない事を願いたいと思います。
巷では、オリンピック開催が東京の不動産価格に与える影響がいろいろと取り沙汰されて、「東京オリンピック開催後が危ない」とのウワサもあります。
しかし、過去に各国で開催されたオリンピックを検証すると、オリンピック開催前後と住宅価格の推移には、相関性はほとんどないというデーターもあるそうです。
さて、皆さんが住宅を購入しようとする際に必ず関わる不動産業者。
以前は不動産屋に入るのに、少し勇気が必要でしたが、現在は入りやすい不動産店舗もだいぶ多くなりました。
一口に不動産業といっても、様々な業態があります。大きく分類すると、宅地や住宅等を造成・建築し、分譲する「開発・分譲業」、住宅や事務所等の売買や賃貸の仲介、代理を行う「流通業」、保有している住宅や事務所の賃貸を行う「賃貸業」、ビルやマンションのメンテナンスや管理などを行う「管理業」の4つに分けられます。
不動産業者というと多くの人がイメージする、高級外車に乗って、高級なスーツに身を包み、美女に囲まれて銀座や六本木あたりで豪遊する不動産屋は、そのほとんどが一昔前の開発・分譲業者か一部の不動産会社の経営者クラスでしょう。
皆さんが接する普通の不動産会社の営業マンは、日々重いノルマ(目標)を課されて、休日を返上してでも契約をとるために必死で働いています。
そして終了した人気のTVドラマの様に、家を売ると同時に人生までプロデュースしてくれる事はもちろんありません。
しかし、不動産売買仲介業者の営業マンでも、他業種の同年代と比べると、給料はそこそこ良い方だと思います。
歩合給の割合が高い仲介会社だと、20代でも年収1000万近くになる事も珍しくないと聞きます。
ハードワークでサービス残業も多く、退職者も多い業界ですが、業績が悪いと昇給や賞与に影響し、かなりの収入減になってしまうのは、車や保険など他の営業マンも同じで、何も不動産業界だけが特別な訳ではありません。
営業の世界では、売り上げの多い者が偉いのはどの業界でも同じでしょう。
私には不動産営業の経験はありませんが、他業種の営業マンと比べて、扱う商品が高額なので、売り上げを上げるための苦労は人一倍です。しかし、実は不動産売買仲介の営業マンには、法律で定められた仲介手数料以外にも収入を得る機会があるのです。
仲介手数料以外の不動産仲介業者の収入
ひとつは、今では常識ともいえる「リフォームの紹介料」。
中古住宅の売買には、ほとんどのケースでリフォームがともないますが、仲介業者の営業マンが紹介したリフォーム会社で工事が行われる事が多いのです。その場合、リフォーム業者から不動産売買仲介業者へ5~10%の紹介料が支払われるのが一般的です。
そして、紹介されたリフォーム業者の見積には、この紹介料が含まれている事も多いので、少しでもリフォームにかかるコストを抑えたいのであれば、自分で探した業者からも見積をとった方が良いと思います。
(見積書には紹介料とは記載されていないので、見積書を見ただけでは、どこに含まれているのかわかりません。また、全てのリフォーム会社が紹介料を見積に上乗せする訳でもありません。)
他にも、土地測量会社からのリベート、引っ越し業者からのリベート、さらには物件の決済・引き渡し時などに加入する火災保険などの保険会社からのリベート、家具購入にともなう家具屋からのリベートなど、一つの不動産売買仲介をきっかけに、いろいろな方面からのリベートを受け取る機会があります。
これらのリベートは、以前は営業マン個人の懐に直接入る事もあったと思いますが、コンプライアンスの遵守が厳しくなった昨今では、会社同士で手数料率などの取り決めを行い、紹介手数料などの名目で、会社から会社に対して支払われています。
また、これは正規には認められないことなのですが、不動産登記を行う司法書士からのリベートや、我々ホームインスペクターからのリベートなどもあると聞きます。(日本ホームインスペクターズ協会の倫理行動規定の中で、ホームインスペクターは第3者性、中立性を維持するために、紹介を受けた事に対する謝礼その他の対価の支払いは禁止されています。)
この様に、不動産売買には様々な過程で金銭が絡んでいます。不動産業者が、ある特定の業者だけをしつこく勧めてきたり、不動産業者から紹介された業者の見積が明らかに高かったりした場合には、キッパリと断る事も必要です。