型式適合認定住宅とは、同一の型式で量産される住宅が、構造・防火・設備等の一定の建築基準に適合している事を
あらかじめ審査し、国土交通大臣に認定された住宅の事で、ハウスメーカーの住宅はほとんどが型式適合認定を受けている
様です。
ただし大手ハウスメーカーの住宅の中でも、木造軸組工法、2×4工法などの一般的に広く普及している工法の商品に
関しては、型式適合認定を取得していない場合もあります。
この認定を受ける事で、個々の住宅を建築する際の建築確認や検査時の審査で様々な特例を受ける事が可能になります。
ハウスメーカーには申請作業が簡略化できるので大きなメリットがあるのですが、建築主にとってはプランの自由度が
制限されるデメリットがあり、後から増築工事等の大掛かりなリフォームをしようとすると厄介です。
建物を増築する際には増築する部分も含めて、建物全体が構造上安全である事を確認する必要があります。
一般的な木造軸組工法や2×4工法の住宅であれば構造チェックする事は可能なのですが、型式適合認定を取得した住宅
の場合はハウスメーカー独自の構造、工法となっているので、建築したハウスメーカーに相談しないとわかりません。
増築工事を行う事で、型式適合認定の範囲から外れてしまうと違反建築になってしまいます。
そして、ハウスメーカーの型式適合認定住宅の認定の範囲は部外者にはわからないためです。
型式適合認定を受けた住宅のインスペクションは可能?
この様な型式適合認定住宅のホームインスペクションの相談や依頼を受ける事があります。
認定住宅には軽量鉄骨造や鉄骨造ばかりでなく、木造の木質系プレハブ住宅もあります。
メーカー独自の設計・ディテールが存在し、一般に知られていない部分があって診断できない箇所もあるため、日本インス
ペクターズ協会のホームインスペクションマニュアルでも対象外となっています。
ホームインスペクションを行う会社の中にも、型式適合認定住宅の調査は行わない会社もある様です。
しかし、ハウスメーカー独自のルールに基づいて設計された内容についての診断はできなくても、建物の劣化事象やその
兆候、不具合、欠陥等や建築設備はどんな建物でもほぼ共通するものなので、ホームインスペクションを行う価値は十分にあると思います。