豊洲市場で土壌汚染対策の盛り土が行われていなかった問題。他にも床の積載荷重の限度が低いなど、構造的欠陥も指摘されているようです。どれも「何をいまさら?」という問題ですが、新国立競技場の建設費高騰の問題や、古くは東京都庁の莫大なメンテナンス費用の問題など、どれも根本的な原因は同じ様な気がします。「たくさんの人が意見を言って関わりたがるのに、最後は誰も責任を持とうとはしない・・・」そんな体質です。使われるのが自分のお金だったら、そうはいかないはずです。
さて、どんな会社でも営業成績が悪くなればたちまち収益が悪化して、会社経営が成り立たなくなってしまいます。
住宅会社にとっても、経営を安定させ、お客様に対して良いサービスを提供し続けるためには、営業マンの頑張りは欠かす事ができません。
一般的には住宅会社では、営業マンには売上(利益)目標を課して、その達成度合で昇給、賞与、昇進等の評価を行います。
また、営業所や店舗ごとに分類して、年間や各期(前期・後期や四半期ごとなど)でその業績を競わせ、優良部署には社員全員の前での表彰や報奨金等が与えられます。
売上(利益)目標は、会社全体の売上(利益)目標、各部署ごとの販管費や収益バランス、地域性などを考慮して決められ、部署の業績は部署の運営者、すなわち所長や店長達の評価に繋がるのです。
住宅営業マンの評価
そんな理由から、住宅の営業マンにとって、期の区切りとなる日は特別の意味があります。
例えば、決算日が3月の会社であれば、3/末の契約と4/1の契約では、たった1日の違いでも、とても大きな違いになります。3/末までの契約なら、次の期(翌日)からの昇給や昇進、期末の表彰などの評価対象になるのですが、4/1の契約になってしまうと、業績貢献として給与や賞与等に反映されるのが、半年又は1年先になってしまうためです。
営業マンは同様に、四半期ごと、半期ごとなど表彰や人事査定の節目となる月末までに、何とか契約をまとめようとします。
期末の最終日に、最後にもう一度お客様に契約のお願いをするため、お客様の帰りを夜中まで車の中で待っていた営業マンは、私のいた会社には過去に何人もいました。
特に、あと少しで成績優秀者として表彰されそうな営業マン、反対に業績不振で契約が1件もない営業マンなどは、この時期は休日返上で夜遅くまで営業活動に励みます。
一方、この時期に契約をまとめたいと思っているのは、所長や店長なども同じなので、値引きや様々な特典・サービスなどを付けて契約を迫ります。建築主にとっても契約する良い機会なのですが、契約を急ぐあまり、工事内容が不明確なまま口約束などで契約してしまうと、後で大きなトラブルになってしまうので注意が必要です。
契約してもらえそうなお客様に対しては、苦労を惜しまない営業マンですが、どんなお客様に対しても同様に接している訳ではありません。すぐに建築するお客様、近い将来建築する可能性の高いお客様、何らかの理由があって建築したくてもできないお客様、建築するつもりのないお客様など、お客様を分類して、対応方法を使い分けます。
住宅の営業マンといえども、しつこく営業してその気にさせるのが目的ではなく、その気があるお客様に自社で建築してもらうために仕事をしているのです。
その気がないお客様にいつまでも時間をかけている暇はありません。
どんなお客様にいつアプローチするのか、常にお客様をランク付けしながらタイミングをはかり、絶好の機会を見逃さないのが営業成績上位の営業マンなのです。