豊洲市場の盛土問題の全貌が徐々に明らかになってきました。
豊洲市場の設計は日建設計、施工は清水建設、大林組、大成建設、竹中工務店等いずれも日本を代表する設計事務所とスーパーゼネコンです。
しかし、この問題と似た様な事は、一般の住宅でも起きる可能性があります。
今回の豊洲市場で起きた事を住宅に置き換えて検証してみたいと思います。
(数値等は分かり易くするため一部変えています)
貴方が注文住宅を建築しようと思った土地には、土壌汚染の可能性がありました。
そこで、土壌汚染の専門家に調査を依頼したところ、地盤を1mほど掘り下げ、土壌汚染対策をすると共に、地下水汚染対策と液状化対策を併せて行う必要がある事がわかりました。更に2m程盛土が必要な事も指摘されました。
大きな出費になりますが、どうしてもその土地に家を建てたかったため、土壌汚染対策の専門会社に依頼して、地盤を掘り下げ、指摘された通りの土壌汚染対策等を行いましたが、盛土は建築工事に併せて行う事として、地盤を掘り下げた状態で汚染対策の工事を終えました。
その後、以前からお気に入りの大手ハウスメーカーに住宅の設計・施工を依頼したところ、ハウスメーカーの設計担当者から、盛土をするよりも地下にコンクリートのピットを設けた方がコストも削減されて、後々の配管などのメンテナンスにも有利になるという提案を受けました。また、基礎の底盤を厚くすれば、汚染物が上がってくる事はないだろうとの事だったので、盛土を行わずに、地下にピットを設ける様に計画変更をし、ハウスメーカーの設計図通りに工事を行いました。
概ね以上の様な内容だったのではないかと思われます。
現実的にありえない話ではないのではないでしょうか。
問題の責任は何処にあるのか?
では、一体どこに問題があって、責任は誰にあると思いますか?
土壌汚染対策の専門会社ですか?ハウスメーカーですか?または貴方ですか?
建築主である貴方には一切責任がないと言い切れますか?
しかし、建築主の貴方は、土壌汚染対策についても建築についても全くの素人です。
一番の問題は、計画全体をプロデュースする責任者がいなかった事ではないでしょうか。
この様な事は、建築現場ではいつ起きても不思議ではないのです。もちろん普通の住宅でも起きる可能性があります。
住宅会社に支払う経費を削ってコストを抑えようとするあまり、分離発注などを行うと、この様な問題が発生する可能性は俄然高まります。
豊洲市場に関しては、実際に汚染物質がピット内まで漏れているかどうかは、今後の調査結果を見ないとわかりませんが、しっかりとした確証が得られないまま工事を行った責任と、都民に対して虚偽の説明を行った責任は重いでしょう。
裏には大きな権力を持った黒幕の存在があるかもしれません。
今後、誰が何を根拠に判断したのかは、絶対に明らかにしなければいけないでしょう。