昨今木造住宅を建てる際、主流となっているのは集成材や輸入木材で、国産の無垢材はあまり使用されなくなりました。
一般的に、国産材は高いと思われていて、敬遠されがちです。
一方、地元の林業や伝統的な建築技法を受け継いできた職人の技を守ろうとする活動も盛んに行われています。
千葉県の市原市では、市内産木材を活用した木造住宅の普及促進を図るため、市内で産出された木材を50%以上使用し、市内の事業者(設計事務所、工務店等)が設計・施工した在来軸組工法による木造住宅を取得した人に対し、1棟あたり50万円を限度として木材費の1/2の額を補助しています。
また、木の良さや地元の木に目を向けて関心を持ってもらうために、林業を行っている山や製材所を見学するツアーなどを行っている団体もあります。(全国古民家再生協会千葉第一支部)
道の駅「あずの里いちはら」敷地内には、市原市産の木材を使って建てたモデルルーム「木の家 市原ふるさとハウス」があり、家づくりや木造住宅に関する相談を受け付けています。
市原ふるさとハウス
各地で起きている地産地消の家づくり運動
現在、地元の木で家を建てようとする動きは、意欲ある工務店や設計事務所を中心に日本全国で起きています。
地元の気候風土の中で育った無垢の木で建てた家は長持ちするといい、地産地消は元々家づくりの基本でした。
私個人としては、輸入材が決して悪いという訳ではなく、木は適材適所で使用すればよいと思います。
しかし、過去には有名な「秋田杉欠陥住宅事件」※なども起きているので、偏った情報のみにとらわれる事のない様にして欲しいと思います。
※秋田杉欠陥住宅事件とは、秋田県が秋田杉の需要拡大を狙って出資した第3セクター「秋田県木造住宅株式会社」による手抜き工事事件で、秋田杉を使用した「耐久性100年の住宅」を謳い文句にして、テレビのワイドショーやCMで話題を集め、千葉県山武郡の270戸などを中心に約1,800棟を販売して倒産。多くの住宅が、プロの大工が施工したとは到底思えない欠陥住宅で、秋田産の無垢材もほとんど使用されていなかったといわれています。