以前ここでご紹介させていただいたZEH(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)ですが、ZEHビルダー登録したにもかかわらず実際には1件も補助金申請を行っていないビルダーが8割に上るといいます。他の住宅会社から乗り遅れない様に登録だけはしたものの、実際には本気で提案するつもりがないのは明らかです。ZEHを検討している方は、やはり実績の多い会社へ依頼する方が安心だと思います。
さて、設計作業も終了し、建築確認申請も無事完了すると、いよいよ着工です。
しかしその前に、実施設計の打ち合わせの際、間取りや仕様に変更が生じて、見積もりの変更がある場合は、追加変更の契約を行います。
本来請負契約時までに、詳細まで全て決定するのが理想ですが、なかなかそのようにならないのが現実で、実施図面の作成にあたって細部まで打ち合わせを進めていくに従い、多少の変更は発生するものです。この時になって、「こんなはずではなかった」とならない様に、変更が生じる都度金額を確認していく事が必要なのです。
また住宅の請負契約では、どうしても建物の事で頭がいっぱいで、外構工事の事は後回しにしがちです。また住宅会社の方でも、建物本体ですでに予算がギリギリな場合などは、外構工事は別途工事にして契約を進めようとする場合があります。
この様なケースでは、後で問題が発生しやすいので特に注意が必要です。
よくある問題は、玄関のアプローチに急な階段が必要になってしまった、建物の基礎を深基礎(根入れを深くまで掘り下げた基礎)にしなかったため、駐車場入り口に急なスロープが必要になった、玄関ポーチの真ん中に排水枡がある、駐車場に車を停めると水道メーターの検針ができない、エアコンの室外機置き場がない、ガレージに水が溜る・・・・などです。
そのほとんどが建物の配置やGL設定に原因があります。
外構計画と建物の配置やGL(基準となる地盤面の高さ)設定は、併せて検討する必要のあるものです。
「外構計画は後で」という考えは絶対に止めましょう。
また、着工時には工事用の仮設水道や仮設電気が必要になります。これらは事前の申請が必要になるので、余裕を持った工期設定が望ましいと思います。
工事着工後のチェックポイント
工事が着工すると、現場には毎日様々な職人が出入りする様になります。現場を見ても一般の方が施工不良を指摘するのは難しいと思いますが、現場管理が行き届いているかどうかなら誰が見てもわかります。
現場内の整理整頓ができていない現場、材料が雨ざらしで放置されている現場、全面道路が泥だらけの現場、周辺にゴミが散乱している現場、職人がノーヘルで作業している現場、現場内で喫煙している現場、工事車両が迷惑駐車している現場などは問題外です。見つけたら直ぐに住宅会社に連絡して、改善してもらいましょう。何度いっても一向に改善できない業者は、要注意です。
この様な業者は、品質面でも問題がある可能性が高いといえます。第三者に検査を依頼した方が良いかもしれません。
同じ住宅会社に依頼しても、住宅会社の工事担当者には優秀な人もいれば、そうでない人もいます。実際に家を建てるのは職人や大工ですが、それを管理、監督するのが工事担当者の役目です。同じ職人を使っても、優秀な工事担当者は上手に職人をコントロールしますが、残念ながら全ての現場が同じ様になる事はありません。
また工事中には、工事担当者に申し送りしたり、現場でやりとりしたりする機会もあると思います。その際にも、打ち合わせ事項は必ず書面にして残す様、工事担当者にも要求しましょう。後になって言った、言わないとなる事程、後悔する事はありません。
人間のやる事にミスは付き物です。他の事で頭がいっぱいだと、故意でなくても失念してしまう事は誰にでもあります。
失敗しない家づくりのためには、建築主の方でもミスを防ぐ努力が必要です。