今年のインフルエンザの流行は、例年よりも早く始まっているそうです。昨年は年明けから本格的に流行が始まったそうですが、今年は10月位から既に各地で感染者が出ているとの事。予防接種を受ける、マスクや手洗い・うがいをしっかり行うなど早めに対策をとっておいた方が良さそうです。
さて、「失敗しない家づくり」は今回が最終回です。
建物が完成したら施主自らが竣工検査を行います。通常、施主が竣工検査を行う前には、施工会社の担当者が検査を行い、手直しが必要な部分の是正をあらかじめ行っておくのが普通です。
しかし工期に余裕がなく、直前まで工事が行われていた場合などは、十分な検査が行われていないで、検査の見落としなどがたくさん残っている場合もあります。施工会社の検査が終了しているからといって、安心するのは禁物です。
竣工検査が行われる時には、足場や養生も撤去され、クリーニングも終了しているので、外観から部屋の中まですべてを一度にチェックする事ができます。竣工検査といっても、何をどう検査したら良いのかわからない方も多いでしょう。
基本的には、家が図面通りにできているか、工事が未完了の箇所はないか、打ち合わせと異なる箇所はないか、内装や外装の仕上げ材に傷や汚れ、おかしな部分などがないか、サッシや室内ドアの開閉に不具合はないか等を確認します。
収納内部の棚の高さや幅、奥行き寸法などを指定した場合は、実測して確認しておきましょう。指定寸法通りになっていない事は意外と多いものです。
水道や電気は実際に使用して確認した方が良いでしょう。竣工後で特に多いのが水廻りのトラブルです。水漏れがないか、排水はきちんと流れるかなど、水を流しながらキャビネットの中や点検口を開けて、配管のつなぎ目などをチェックしましょう。
浴室やキッチン、洗濯機などの排水トラップは蓋を外して点検します。中にゴミがある場合などは、住宅会社の検査が終了していない証拠なので、きちんと検査する様要求しましょう。
また、換気扇が吸い込まない不具合も時々あるので、作動させて確認しましょう。
竣工検査の後からでは指摘しても対応してもらえない事もある!
竣工検査では、多くの施主が家が完成した喜びで、検査どころでなくなってしまう傾向がありますが、検査当日に指摘しなかった項目は、後で指摘しても対応してもらえない事もあるので、しっかりとチェックしましょう。
特に傷や汚れに関しては、引っ越した後には対応してもらえないので注意してください。
また床や階段の軋み、手摺のがたつきなどは、ふだんより体重や負荷を強めにかけて確認しておくと良いでしょう。
コンセントやスイッチのプレートが曲がって付いていたなどもよくある不具合です。
この様に竣工検査にはチェック項目が多いですが、施主が自分で確認できる事がたくさんあります。逆に施工方法や材料の特性などを知らないために、専門家よりも厳しい指摘や、細かな指摘があるくらいです。
しかし、住宅は職人が現場で手作りするものなので、工業製品の様にはいかないのも事実です。
施工誤差や施工精度の許容範囲があります。また「逃げ」と言って、あらかじめ隙間をあけておき、材料の収縮に対応できる様にする事もあります。施工会社との信頼関係がないとこの様な施工会社の説明も、半信半疑になってしまう事もあるでしょう。
また、「どうせ素人でわからないのだから、適当な理由をつけてごまかしてしまえばいい」という様な会社があるのも事実です。
建築についての勉強や、家づくりの経験のない一般の方が、住宅会社の説明が正しいかどうか判断できないのは仕方ありません。
だからといって、無用に事を荒立てて住宅会社と揉めるのは得策ではありません。住宅会社の説明が正しかった場合には、その後のアフターサービスやつきあいにも影響してしまいます。
その様な時には、第三者の専門家のアドバイスを求めるのが良いでしょう。中立的立場からの意見が聞けるはずです。
今回まで5回に分けて住宅の建築やリフォームでの注意点を、よくある失敗例をあげながらご紹介してきました。
新築でもリフォームでも、施主にとっては一大事業で、初めての経験である事が多く、わからない事だらけです。
したがって信頼できる業者に依頼する事が失敗しないための一番のポイントですが、一度信頼が損なわれてしまうと、元に戻る事はほとんどないと思います。
なので、できるだけ不満を貯め込まない事が重要です。わからない点、疑問点、納得できない点などがあれば、その都度施工業者に伝えて解決していく事が重要です。
住宅会社に長年携わってきた私の経験では、ほんの僅かな行き違いが少しずつ積もって、最後に爆発して大きなトラブルになってしまう事が多かった様に思います。そして、担当者との相性は思いの外重要なポイントになります。
最初の出会いから引き渡しまで新築で半年以上、リフォームでも少し規模が大きくなると3か月以上のつきあいになります。
会社を選ぶ際には、この点も十分考慮して欲しいと思います。