RC造住宅の特徴

少し前に、オックスフォード大学の准教授が「10~20年後、約47%の人の仕事がなくなる」という論文を発表して大きな話題となった様です。機械による自動化や技術革新によって、多くの人の仕事が奪われるという大胆な予測です。確かに世の中にはすでに大きく価値が下がっている仕事や、供給過剰になっている仕事も多くなっています。行政書士や税理士などの士業の仕事もその典型でしょう。
その流れはやがて建築業にも押し寄せてきそうです。今後は、消費者から価値を認められる仕事をしていかないといけません。

さて、住宅の構造には様々な種類がありますが、建築費用の事を考えなければ鉄筋コンクリート造(RC造)の住宅は憧れのひとつでしょう。
一般的にはRC造は、マンションやオフィスビルなどの中高層の建物に多い構造ですが、近年ではその性能やデザイン性などで戸建住宅でもよく見られる様になりました。特にアトリエ系建築設計事務所の建築家に好まれている構造です。

RC造住宅の一番のメリットは、耐震性に優れている点でしょう。過去の多くの大震災でも一番被害が少なかったのはRC造の住宅だと思います。
またRC造は耐火性能や遮音性能にも優れています。防火地域にも耐火建築物として建築可能で、上下階の音も遮音します。木造住宅のデメリットを全て解消できる事が大きなメリットといえるでしょう。

そして何といっても外観デザインの自由度が高いのが、建築家に好まれる理由の一つです。造形的に好きな形になるので、意匠性にこだわる建築家には非常に好都合です。外観だけでなく木造住宅では難しい大空間もRC造なら可能なので、1階を店舗や事務所、ビルトインガレージなどにする事もできます。

RC造の住宅のデメリットとは?

では、RC造住宅のデメリットはどんな点なのでしょうか。
やはり一番のデメリットは、建築費が高いという点でしょう。数々のメリットは理解できても、建築費の問題であきらめてしまう方が多いのではないでしょうか。
そしてRC造の建物は非常に重くなります。そのために地盤改良などでも更にコストがかかってしまいます。

また、コンクリートは非常に蓄熱性の高い材料です。夏は蓄熱したものを輻射熱として放出するので、室内が高温になりやすくなります。
そしてRC住宅は非常に気密性が高いのが特徴です。そのため、適切な換気を怠ると結露が発生しやすくなるので注意が必要です。

コンクリートのもう一つの特徴として、ひび割れがあります。経年劣化によるひび割れの発生は避けられません。外壁のひび割れなどから雨水が侵入すると、爆裂など耐久性を大きく損ねる原因になるので、適切なメンテナンスが重要になります。

この様にRC造の住宅は非常に優れた性能を持っているとはいえ、万能ではありません。どんな構造の建物であっても、その構造のメリットとデメリットを理解した上で、適切なメンテナンスを実施する事が長持ちさせる秘訣です。

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