リフォームかし保険の課題

先日、建物調査を行っている知人から、赤外線サーモグラフィの導入を奨められました。
赤外線サーモグラフィは、外壁調査や雨漏り・漏水調査などで、肉眼では見つける事の難しい問題箇所を発見するのに有効なツールとして知られているのですが、通常のホームインスペクションではほとんど使用する事がありません。
非常に高価な機材なので、使用するとなるとそれなりに調査費用も高額になってしまいます。
今後の必要度合を見て導入を検討したいと思います。

さて、リフォームの悪徳業者による被害は一時期に比べて少なくなったとはいえ、住宅のリフォームには、いまだに消費者の不安感が大きい様です。リフォーム会社に関する情報が不足している他に、施工後のトラブルや不具合を心配する方も多いと思われます。リフォーム会社の担当者の無知や、職人のミス、技術不足によるトラブルが多いのも事実です。
現実に、私共へのリフォーム工事に関する相談も少なくありません。
「リフォーム会社の担当者の説明は正しいのか」、「この施工方法で後々問題はないのか」、「施工不良ではないのか」などです。

こうした不安を解消するために、リフォームかし保険があるのですが、まだまだ利用される方は多くないようです。
リフォームかし保険は、リフォーム工事の施工中と完了時に保証引き受け会社の検査員が検査を行い、異常などがない場合には保証を行うというもので、2010年からスタートしました。
しかし新築住宅を対象とした瑕疵保険とは異なり、まだ義務化されているわけではなく、任意制度となっています。

リフォームかし保険では、リフォームに関する消費者不安は解消できない!

保証内容は、工事完了から5年以内に瑕疵が発生し、リフォーム会社が倒産してしまった場合など瑕疵担保責任を果たせない場合に、保険金から補修費用などを支払うものですが、保険対象となるのが構造耐力上主要な部分と雨水の侵入を防止する部分などに限定されています。
また、保険に加入できるのはあらかじめ事業登録されたリフォーム事業者で、登録するためには一定の基準があるので、全てのリフォーム会社で保険を利用できる訳ではありません。
そして、リフォームで発生する不具合は構造や雨漏り以外にも数多くあり、むしろ数の上ではその他の不具合の方が圧倒的に多いので、利用者数が伸び悩んでいると思われます。
実際に、私が住宅会社でリフォーム事業を行っている時、リフォームかし保険の利用率は10%にも届かず、利用する方のほとんどが外壁や屋根の改修工事を行う方でした。

一方、保険を引き受ける各保険法人には、市場のニーズにマッチした保険商品の拡充が求められます。
国土交通省が掲げている2020年度までに中古住宅流通・リフォーム市場規模を倍増し、20兆円市場を本気で目指すなら、リフォームに関する消費者不安の解消は必達の課題です。後押しとなる行政施策も待たれるところです。

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リフォームかし保険の流れ

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