リフォーム済物件のホームインスペクションの必要性

先日中古住宅購入前のホームインスペクションを検討中の方から、「リフォーム済の物件でも建物調査が必要でしょうか?」と聞かれました。
築年数が古い物件でも、壁紙やフローリング、外壁などをリフォームして売りに出されている物件なら、事前に建物調査を行い、悪い部分はきちんと修理してあるはずだから、改めてホームインスペクションを行う必要がないと思う方は多いと思います。
不動産会社の営業マンからも、「リフォーム済なのでホームインスペクションは必要ないでしょう」と言われたそうです。
しかし残念ながら、リフォーム済物件だからといって安心できるという事はありません。

リフォーム済の物件は、確かに内・外装の仕上げ材などの目に見える劣化部分は綺麗になっていますが、表面的な補修しか行っていないケースがほとんどです。
多くの人は、表面的な見た目のみで判断してしまう事が多いため、買主のためにわざわざ費用をかけて、見えない部分まで手を入れる売主はあまりいないでしょう。それは売主の立場になって考えれば理解できると思います。
特に不動産業者が買い取り再販している物件などは要注意です。再販物件ではあらかじめ販売予定価格が決まっているので、少しでもリフォーム工事のコストを抑えて見栄えを良くする事が自分達の利益に繋がるためです。

実際にホームインスペクションを行うと、配管が古いままだったり、壁や床に傾きが見つかったり、小屋裏に雨漏りの形跡があったり、床下や天井裏の断熱材が隙間だらけだったりするケースも少なくありません。
そもそも売主や不動産業者が、床下や小屋裏までしっかり調査を行って売りに出す事は稀だと思います。

またリフォーム工事についても、しっかりとした完成検査が行われていない事が多く、施工不良が見つかる事も少なくありません。
売主が自分で住むわけではないので、リフォーム会社に任せっきりにしてしまうためです。

リフォーム済物件こそホームインスペクションが必要?

内・外装を全面的にリフォームした物件では、確認できる劣化事象は限定的になってしまうのは否めません。
しかしホームインスペクションを実施した結果、不具合が発見されるケースはたくさんあります。
むしろリフォーム済物件ほど、リフォームの完成検査を兼ねたホームインスペクションを行う意義は大きいと思います。

またリフォーム工事を行った際に、床下や天井裏の点検口をふさいでしまった事例も過去にはありました。
点検口のない物件は、購入を再検討した方が良いでしょう。

以上の様にリフォーム済の物件でも、ホームインスペクションを行う事は決して無駄ではありません。
入居後に後悔する事がない様にするためには、見た目の綺麗さに惑わされずに慎重に判断したいものです。

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