昨日ツインリンクもてぎで行われた2017年スーパー耐久シリーズ開幕戦を観戦してきました。
街で見かける市販車をレース用に改造し、様々なクラスに分かれて一斉にレースをするのがこのシリーズの魅力です。
自動車レースの最高峰であるF1を筆頭に自動車の進化は著しく、サーキットでのラップタイムは毎年速くなると共に、安全性も大幅に向上しています。
現代のレーシングカーはどんなレースでも燃費と空気抵抗との闘いになっています。
さて自動車や高層ビル、高層マンションなどの建築技術の進化と比較して、一戸建て住宅は旧態依然として進化のスピードは非常に遅く感じられます。
特に構造の安全性や省エネ性など「目に見えない性能」に対するユーザーの満足度が思った以上に低いのも気がかりです。
「パッシブデザイン」や「ゼロ・エネルギーハウス」、「スマートハウス」なども実現可能なところまで来ていても、まだまだ認知度は低く、広く普及しているとはいえません。
自動車が限られたメーカーだけによって生産されるのとは異なり、住宅は大手ハウスメーカーから町場の中小工務店まで様々な会社で建てられているので、その性能も千差万別です。自動車の様に工場生産できないのも大きなネック要因でしょう。
住宅は30年前と比べて進化しているか?
ホームインスペクションをしていると、近年の住宅の断熱施工などは数年前の住宅と比べて著しく向上しているのが実感できるのですが、実際に住む人が体感できるレベルには至っていない様です。
国の制度も、少しづつ住宅をより長く快適に暮らせる様に動き出していますが、そのスピードはいまひとつという感じが否めません。
そして住まい方の提案や収納、景観など少しずつ変化している様に見えても、建築技術などハード面での進化はなかなか見えてきません。
目立った変化といえば、ツーバーフォー工法による耐火構造4階建て住宅や耐火3階建て集合住宅などが実現していますが、まだまだ一般に普及できそうにはありません。
今後様々な技術革新によって、防火地域における木造の中高層住宅の実現など、住宅の建築技術の大幅な進化に期待したいと思います。