建設業の「悪の根源」とされる元請けと下請けという業界構造。工事規模が大きくなれば、さらに孫請けやひ孫請けといった会社も存在します。
もちろん住宅業界やリフォーム業界も下請け業者の存在なしでは成り立ちません。
しかし他の業界でも下請け業者は存在します。製造業やIT業界などでも同様です。
建設業の元請業者は、1棟の建物を完成するために必要な職人を全て自社で抱えているわけではないので、工種ごとに専門の下請け業者に依頼する事は仕方がありません。
しかしこの事がしばしば問題の原因になります。
元請け業者が、下請け業者の仕事内容をしっかりと責任を持って直接管理できていれば、何も問題はありません。
しかし、発注者から仕事を請け負った元請けが、下請けから手数料を受け取って仕事をそっくり譲ること、
いわゆる「丸投げ」がしばしば問題となります。近年ではアウトソーシングなどという聞こえのいい言葉でも表現されますが、建設業法では禁止されている行為です。
「丸投げ」は特に住宅リフォームでは頻繁に行われているので、注意が必要です。
「丸投げ」が問題になるのは、品質管理の問題だけではありません。
下請け業者は、建築主が支払う代金の中から元請け業者の手数料が引かれ、さらに自らの利益を確保した上で各専門工事業者(孫請け)へ発注するわけですから、各専門工事業者の利益はかなり少なくなるはずです。
当然手抜き工事が行われる可能性が高くなってしまうでしょう。
リフォーム工事の発注は「作り手の顔が見える会社」へ!
リフォーム業者の中には、丸投げしか行わないブローカーの様な業者も実際に存在しています。
リフォーム業者を選ぶ時一番重要なのは、作り手の顔が見える会社に依頼する事です。
打ち合わせの場に現場監督が同席して、「私がしっかりと現場管理をするので任せてください。」と言ってくれたら心強いでしょう。
価格の安さだけで業者を決める事のないようにして下さい。
この様な話をすると、「それなら下請け業者に直接発注すれば良い。」と思う方もいるかもしれません。
しかしそれもあまりお奨めできません。
下請け業者も本来であれば「脱下請け」をはかって元請けになりたいはずです。
実際にたくさんの下請け業者が元請けへの転換を目指しています。
しかし、多くの下請け業者は元請化に失敗しています。
原因は営業力不足で集客できない事が一番ですが、ほかにも現場管理を行う技術者や関連法律知識不足などの問題があります。
たまたま上手くいく事はあっても、リスクが大きいと思います。