新築工事とは違う!リフォームにまつわる不安と疑問

リフォーム工事には新築工事とは異なる点がいくつかあります。
施主も施工会社もリフォーム工事の特性を理解しないままに工事にかかると、思わぬトラブルを抱えてしまいます。工事代金に関する問題、作業時間や工期に関する問題、近隣とのトラブル等です。

まずは約束ごとや取り決め事項を書面化して残しておく事がトラブルを未然に防ぐために重要です。他にもリフォーム工事には注意すべき点が多いのですが、今回はリフォーム工事の盲点についての話をしたいと思います。

リフォーム工事の盲点。よくある不安と疑問

リフォームで度々問題となるのは建築基準法違反の工事です。
特にリフォーム工事においては、建築確認申請手続きを要しない工事が大半なので、プロであるはずのリフォーム業者から違反建築の提案がなされる事もあるのです。もともと適法であった建物がリフォーム工事の結果、違反建築物になってしまうケースもあります。

リフォームイメージ (1)

リフォーム業者の言い分としては「施主のために行った」という事が多く、何も知らない施主も喜んでいるのですが、施主に無断で違反工事を行う行為はやはり問題です。

また施主自ら違反工事を要求する事もあるのですが、それを請け負ってしまう業者も企業モラルが低いといわざるを得ません。中にはリフォーム業者自体が違反工事となる事を知らなかったケースさえあります。

建築基準法で定められているのは、国民の生命、健康及び財産の保護を図るための「最低の基準」です。建築に携わるプロとしてこれを無視する事はできないはずです。
またこれに違反する事によって近隣とのトラブルを引き起こす可能性も非常に高くなります。

次にリフォーム業者選定にも注意が必要です。以前の様な悪徳リフォーム業者は非常に少なくなりましたが、リフォーム業者には様々な業種業態があります。ハウスメーカー、地場工務店、リフォーム専門会社、設備工事会社、設計事務所、インテリアショップ、ホームセンター、家電量販店、百貨店等です。

そのリフォーム業者は規定を満たしているか

また、一口にリフォーム工事といっても数万円の修繕工事から数千万円のリノベーション工事まで様々な内容があります。
どのリフォーム会社が良いかは工事内容や施主の価値観によって異なるので一概には言えないのですが、注意していただきたい点があります。

リフォームイメージ (2)

建設業法上では請負代金の額が500 万円未満の工事には建設業の許可は必要ありません。500 万円未満のリフォーム工事を請け負うのに建設業の許可がなくても良いのです。もちろん全てのリフォーム工事に建設業の許可が必要とは思いません。

たとえ建設業の許可がなくても外壁塗装や壁紙の張替え、キッチンの交換工事等であれば専門工事業者でも心配ありません。むしろ専門工事業者の方が職人を直接抱えていることが多いので、価格面では大きなメリットが期待できます。

しかし、構造や設備がからんでくると問題があります。たとえばキッチンの交換工事でキッチンを撤去した後に白蟻被害で土台や柱がボロボロに腐っているのが見つかったとします。

当然腐食した土台や柱を交換し、必要であればその補強工事や再発予防を行わなければならないのですが、その費用を併せても工事費用が500 万円以上かかる事はほとんどありません。

この範囲であれば工事を行うのに建設業の許可は必要ないのです。
もしキッチン工事を発注した業者が建設業の許可を持っていなかった場合でも安心して工事を任せられるでしょうか。

また、たとえ耐震補強工事であっても500 万円以上かかる事は稀です。

建物の構造に大幅に手を加える工事でも建設業の許可は必要ないのです。
着工してみたら下地材が意外に傷んでいた、配管が腐食しそうだった、建物の水平が狂っていた、雨漏れ跡が見つかった等々。

こういった想定外のトラブルはリフォーム工事では頻繁に発生しています。築年数の浅いメンテナンスが行き届いた建物であればさほど心配する必要がないのですが、ある程度の築年数の経った建物をリフォームする場合には、工事を発注する業者が建設業の許可をもっているかどうかを確認しておいた方がより安心です。想定外のトラブルにも比
較的すぐに対応できます。そして手直し工事に着手する前には必ず見積をとりましょう。後で金銭トラブルになるのを防止できます。

またどうしても建設業の許可を持っていない業者に発注を行う場合には、事前にホームインスペクションを行っていると安心できます。

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