数年前から住宅診断の際の床下調査で、床下診断ロボットが使用される事があります。
そして最近では、ドローン(無人航空機)を使って屋根の劣化診断を行っている塗装業者もいるそうです。
住宅診断の方法も数年後には大きく変わってしまうかもしれませんが、肝心なのはその様な機械から提供された画像を診断する人間の目だと思います。
さて、リフォーム工事の見積書に不安や不満を持つ方が多いといいます。
リフォームに対する自分の要望がきちんと見積書に反映されているのか、見積内容に余分な項目が含まれていないか、金額は妥当なのか、後から予想外の追加工事を請求される事はないのかなどです。
中には見積書に注文者の確認のサインを求められ、「署名したら契約したことになってしまった。」などという話も聞くので油断できません。
また1件ごとに状況が異なるリフォームでは、新築工事の様に目安になる坪単価も明確ではないので余計に不安になります。
そして最も不満に思うのが、リフォームの見積書に多い「一式」という表現だと思います。
何故リフォーム工事の見積書には「一式」が多いのか?
見積書の記載は、施工単価に施工数量を掛けて表現されるのが一般的です。
しかし、何もない状態から図面通りに数量を拾い出して単価を掛ける新築工事の見積と異なり、リフォーム工事では目に見えないものを予想して見積書を作成しなければならない場面があります。
例えば流し台を交換するのに併せて給排水の配管を交換する場合、既存の配管図面があれば良いのですが、一戸建住宅の場合は配管図面などないのが普通です。簡単な平面図さえない事も珍しくありません。既存の配管が床下や壁の中のどこをどの様に通っているのかは解体してみるまでわかりません。
見積作成時にはある程度予想して金額を出すしかないのです。当然数量を正確に計算するのは不可能です。
仮に想定する数量を明記した場合には、万一数量が多い場合は注文主から減額を要求される事はあっても、不足していた数量を追加工事として請求するのは難しいでしょう。
また配管経路によっては、解体する床や壁の仕上げ材の面積や復旧する面積も異なってしまいます。
この様なケースで数量を明記する事は、リフォーム会社にとってリスクにしかならないのです。
またこれらをその都度計算し直して見積を出し直していては、リフォーム会社にも注文主にも大きな負担となってしまいます。
工期や工程にも大きな影響を与えるでしょう。
よって多少の増減はあったとしても、過去の経験などからある程度ザックリと見積もりするしかないのです。
私は、リフォーム工事の見積書の一部に「一式」という表現があるのは、やむを得ないと思っています。
(もちろん全ての項目が「一式」の見積書は問題外です。)
よく著名な建築家の先生が物知り顔で、「一式の見積書はけしからん。」などと話しているのを目にしますが、リフォーム工事の特性がまるでわかっていない様に思います。リフォームの見積もりチェックは肩書だけでできる仕事ではありません。
しかし、それでは後々トラブルの原因になるのも否定できません。
それを防止するためには、配管は全て交換するのか、新しい流し台を設置するのに最低限必要な部分のみ交換するのかなどを、リフォーム会社に仕様書や図面に記入して書面化してもらっておくと良いと思います。
そしてそれに伴う解体工事や仕上げ工事も見積に含む事を明記してもらいます。
多少損得が生じるのは事前に了解してしまった方が、現場がスムーズに進んでお互いにメリットがあると思います。
またそうする事で、後から予定外の追加工事を請求されるリスクは回避できるはずです。
リフォーム工事の見積書は建築の専門家でも難解なものが多く、一般の方がチェックできるものではありません。
一方、契約後に発生するトラブルは、見積書や施工図面の不備が原因になっているケースがほとんどです。
そして数社に相見積もりを依頼したとしても、金額の高い安いは比較できても、全く同じ内容でなければ意味がありません。
相見積もりの目的は、極端に見積金額が高い業者を排除するための目安と考え、金額だけにこだわるのは止めましょう。
また、「B社の方が安くても、A社で必要とされる工事がB社の見積には入っていない。B社は必要ないと言うが、本当に大丈夫だろうか?」
こんな時、どちらの言う事が正しいのか(良心的なのか)、一般の人では判断ができません。
相見積もりの比較は実務経験のある専門家でないとできないものなのです。
その様なリスクを避けるためには、第三者の専門家によるチェックが非常に有効だと思います。
リフォーム工事の見積書チェックならお任せください!
弊社では、リフォームの見積チェックや施工図チェック、契約書のチェックなども承っております。
見積書や図面をチェックした上であらかじめ不明な点を書き出し、全て取り決めて書面化しておけばトラブル防止になります。
またご要望により、業者選定アドバイスやリフォーム会社との打ち合わせにも同席いたします。
これらの事は、契約後のトラブル防止や見積漏れ・施工漏れ防止など、注文者だけでなくリフォーム会社にとってのメリットも多いと思います。
リフォームに対する不安を取り除き、満足のいく結果となる様、全力でバックアップさせていただきます。
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