住宅ローンの借入額について

先日、母校の建築学科が65周年を迎えるにあたり、記念祭が開催されるとの案内が届きました。
記念祭では講演会やパネルディスカッション、懇親会、記念冊子の配布などが行われる予定の様です。
同じ建築業界で活躍している他の卒業生の近況を知る良い機会になるかもしれません。

さて、これから住まいの建築や不動産の購入、リフォームの計画がある方の多くは、住宅ローンでの支払いを検討しているかと思います。
ところで、住宅ローンの借入額はどの位で考えているのでしょうか?
もちろんいくらたくさん借りようと思っても、初めから融資承認が下りない様な額では問題外なのですが、一般的には住宅ローンの返済負担額が25%以内であれば、融資が承認されると言われています。
住宅ローンの返済負担率とは、年収に占める住宅ローン返済額の割合です。ここでいう年収とは「手取り」の金額なので注意してください。
例えば手取り年収600万円の人は、月々の返済額が12万5千円以内であれば融資が承認されるはずです。

しかしここで注意が必要なのは、住まいに対する価値観やライフスタイルは人によって異なるという事です。
ハウスメーカーやリフォーム会社の営業マンは、融資が受けられる上限に近い金額で提案してくる事も多いと思いますが、マイホームに対するこだわりや思い入れが高い方なら良いにしても、もっと趣味を充実させたり、子供の教育を優先させたいと思っている方などにとっては大きな負担となります。
せっかく手に入れたマイホームを手放す事になったり、後々まで後悔する事になるかも知れません。
マイホームを建てるとなるとつい舞い上がってしまい、営業マンの言われるままにあれもこれも取り入れて、ギリギリのローンを組みがちですが、それで本当に豊かな暮らしができるのかどうか冷静に考える必要があります。

住宅は建ててからもお金がかかる!

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また、住まいの資産価値を維持していくためには、建ててからのメンテナンスも欠かせません。何年後にどれ位のメンテナンス費用がかかるのかなどは、営業マンはなかなか教えてくれません。必要なメンテナンスを定期的に行っていくためには、マンションの修繕積立金と同様に、一戸建住宅でも毎月自分で積み立てていく事も必要になります。30坪程度の木造2階建ての住宅でも、最低2万円/月程度の積立は必要になるでしょう。
こんな大切な事を最初にきちんとアドバイスしてくれる営業マンはほとんどいません。引き渡しを受ける時になって初めて説明される事もあります。
この様に住宅は建てて終わりではありません。我が国の住宅の寿命が短かったのは、建ててからのメンテナンスについて何も考えて来なかったからなのです。
住宅建築やリフォームで失敗しないためには、住宅会社選びと同様に将来を見据えた返済計画や資金計画も重要です。
重要な事をアドバイスしてくれない営業マンがいる住宅会社はまず失格でしょう。
多額な住宅ローンを抱え、生活するのもギリギリではいくら良い家を建てたとしても、とても豊かな暮らしは望めません。
私は、個人的には精神的に大きな負担を背負ってまで住宅ローンを組むべきではないと思っています。

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