中古住宅を購入してリフォームしたいと思う時、どの様な工法で建てた住宅を購入すれば要望通りのリフォームがしやすいのでしょうか?
またすぐにリフォームする必要がなくても、将来的にはリフォームが必要になる時もあるでしょう。内装の模様替えや住宅設備機器の交換なら、建物がどんな構造でもさほど違いはありませんが、大掛かりなリフォームをしようと思うと建物の工法による影響は無視できません。
1、ハウスメーカーの型式適合認定住宅
ハウスメーカーが建てる住宅は同一の型式で量産される事が多いため独自の工法を採用し、建築基準法に適合している事の
審査をあらかじめ受けて、型式適合認定を受けているものが多くあります。そしてその内容は一般に開示される事はありま
せん。その住宅がどの様なディテールで建てられているのか、そのハウスメーカー以外ではわからないのです。
したがって間取変更など大規模なリフォームをしようと思うと、建てたハウスメーカーに依頼するしかありません。
他社との見積の比較なども困難なので、リフォーム費用もハウスメーカーの言い値で発注する様になってしまいがちです。
また、すでに倒産してしまっているハウスメーカーもあるので注意が必要です。
水廻り設備の交換や内装等の模様替えであれば、他の会社でもリフォーム可能ですが、大掛かりなリフォームを希望する
場合は、ハウスメーカーが建てた住宅はお奨めできません。
2、2×4工法(枠組み壁工法)の住宅
最近中古住宅市場でも2×4住宅の流通が多くなってきました。2×4工法には在来軸組工法とは異なる施工上のルールが
たくさん存在します。リフォームするにあたっても、2×4工法の施工実績が豊富な会社に依頼する必要があります。
いくら在来軸組工法の経験豊富な工務店(大工)やリフォーム会社でも、2×4構造の原理原則や告示の内容を理解して
いないままリフォームすると、欠陥住宅になる可能性大です。2×4工法の住宅は建物にかかる水平力を壁で支える構造
なので、壁の量や壁の配置、窓等の開口部の大きさ等に制限があります。大掛かりな間取り変更などは困難だと思った
方が良いでしょう。また壁を一部撤去したい場合でも、壁量計算を行い安全性を確認する必要があります。
2×4住宅ではリフォームに備えて、構造図は是非入手しておきたいものです。
水廻り設備の交換や外装リフォーム、内装等の模様替え等は問題ありません。
3、在来工法(在来軸組工法)の住宅
中古住宅市場で最も多く流通しています。間取り変更などの大掛かりなリフォームも、適切な補強を行えば比較的実現
しやすいと言えます。しかし品質のバラツキが多く、大工の腕の差によって仕上がりが大きく異なってしまいます。
間取り変更をともなう大掛かりな工事では、業者選定には十分注意する必要があります。新築工事の経験のないリフォ
ーム会社は避けた方が良さそうです。また間取りの変更がしやすいとはいっても、撤去できない柱や壁もあるので、
デザイン上の工夫が必要になる事もあります。経験豊富な業者に依頼した方が見栄え良く仕上がるでしょう。
今は必要なくても、ライフスタイルや家族構成の変化にともない、将来的に大掛かりなリフォームを行う可能性がある
場合には、在来工法の住宅が無難です。
住宅の工法によってリフォーム業者選びも変える!
上記の様に、建物の工法によってリフォームを依頼する業者や、リフォームする際の注意点も異なります。また、同じ木造
住宅でも、2×4工法と在来工法では施工方法も違います。
私はリフォームによって欠陥住宅になってしまった例をたくさん見てきました。ほとんどがリフォーム業者の無知が原因と
思われるものです。業者選定の際には、リフォームする住宅と同じ工法の住宅の施工実績がどれだけあるかは重要なポイン
トです。リフォーム工事の契約前には必ず確認する様にしてください。