建築やリフォームはテクノロジーだから常に技術を磨かなければならないと思っています。
技術のない人や技術を磨く努力をしていない人が、「ライフスタイルが・・」とか「動線が・・」、「インテリアのデザインが・・」、「住宅業界が・・」などと言って訳知り顔でうわべだけを語っている姿を見ると何か違和感を感じてしまいます。
建築業界では職人の世界と同じ様に、「技術は習うものでなく盗むもの」といった風習が今も残っているので、現場監督も設計者も積極的に人から盗まないと技術を身に付ける事はできません。
知識は身に付けられても、技術は同様にはならないのです。
建築・リフォーム業界は決して憧れだけで仕事ができる甘い世界ではありません。
ビジネスは基本的にどんな業界でも「特別な知識や技能を持った人ができる事を、そうでない人に代わって行う事」だと思います。
建築であれば、建築物を作るのが得意な人が自分では作れない人の代わりに建物を建てる事であって、単に建築が好きなだけでは趣味でしかありません。
建築はアート(作品)である前に人の命や健康を守る大切な役目がある事を忘れてはいけません。
建物を建てたりリフォームをしたりして人の命や健康を守るためには、半端な気持ちでは務まりません。
もちろんそこには「心」がなくてはならないものですが。
さて、新築住宅の着工戸数の減少が予想される中で、様々な住宅関連企業が現在のビジネスモデルのみで成長を維持するのは難しいとして海外進出や新規事業を構想している様です。
その傾向は業界大手企業であっても例外ではなく、むしろ大手企業ほど大きな危機感を持っている様に思います。
一例として
1、住宅設備機器、電設資材の販売を行う大手企業が全国にある営業拠点・物流網を活用し、床や壁紙の張替えを行うメンテナンス、リペア事業を新規に立ち上げる。
2、主にマンションの分譲、管理事業を行っている有名企業が、戸建て物件のリノベーション事業への本格的参入を進めている。
などです。
人材バンクや顧問派遣の会社には、この様な情報が日々集まっているそうです。
今後この傾向は益々拡大していくと思われます。
今まで「すきま産業」として大手企業が見向きもしなかったリペア事業や中古住宅のリノベーション事業ですが、これからは住宅産業の主流になっていくのはほぼ確実です。
この競争で勝ち残っていくためには、目先の利益のみにとらわれていると難しいでしょう。
単に将来成長が見込めるからというだけで、リペア事業や戸建てリフォーム事業を甘く見て参入すると一番被害を受けるのは消費者です。
しっかりとした企業理念と人材の確保がさらに重要になると思います。