近年の新築マンションでは天井や壁の下地材にLGS(軽量鉄骨=Light Gauge SteelまたはLight Gauge Stud )が使用されていますが、マンションリフォームでもLGSが使われる事が増えてきた様に思います。
以前は鉄骨造や鉄筋コンクリート造などのビル建築で使われていたLGSですが、最近は木造住宅で使われるケースもあります。
天井・壁の下地は大きく「木製下地」と「鋼製下地」に分けられます。
木は湿気による影響を受けて反りや曲がりなどの狂いが生じる事がありますが、LGSはその様な変形が生じる事が少ない安定した材料です。
またLGSは木材に比べて軽量なので搬入が容易で施工には熟練した能力もいらず、施工性が良くて工事が早いというメリットがあります。
新築マンションでLGSが使われる事が多くなったのはのは、大工不足というのが一番の原因だと思います。
そして一般的に木下地よりも単価も安くなります。(ただし部分リフォームなどの小面積の場合は、単価が高くなる場合もあります。)
他にもキッチン周りなどの耐火性能が必要な場所で有利だったり、壁内に電気配線や設備配管を通しやすいなどの利点もあります。
LGSのデメリットは何か?
一方、溶接を使う場合は火災の危険性がある、木材の様に部分的に削れないので細かい寸法調整がしにくいなどのデメリットもあります。
躯体の精度が悪い場合や古い建物のリフォームの場合には、木下地の方が適している事もあります。
また、大工以外にLGS専門の職人が必要になるため工種がひとつ増えるという欠点もあるので、施工規模や現場の状況に合わせてよりベストな工法を選択する事が必要です。
近年のマンションリフォームではLGSが主流になりつつありますが、天井LGS下地+壁木下地、天井木下地+壁LGS下地など、施工部位によって使い分けるケースもあります。
リフォームで施主側から下地材の種類まで指定する事はほとんどないと思いますが、知識として知っていると良いでしょう。
LGS下地の施工例
木下地の施工例