小屋裏収納の黒カビ

先日電話で問い合わせをいただいた内容は、「築1年の中古住宅を購入しようと思って内覧に行ったが、小屋裏収納部分の壁にカビらしき黒い斑点が出ていた。築1年程度でこのようなカビが発生するのは欠陥住宅ではないのか?」というものでした。

電話の状況からのみの判断ですと、黒い斑点はカビの可能性が高いと思われました。
小屋裏収納部分のみが屋根断熱になっていて、小屋裏収納の壁部分に断熱材が設置されていない可能性があると思いました。
その場合に断面欠損となり、結露が生じてカビの発生の原因になったものと思われます。

また、小屋裏収納内部の換気不足の可能性もあります。
小屋裏収納内部に換気装置がない、あったとしても使用されていないなど、使い方に問題がある可能性も否定できません。

築1年という事でしたが、木材の乾燥がまだ不十分だったり、木・建材に工事中の雨水が含まれている場合には、この冬が最も結露しやすくなります。
先日の降雪による屋根の積雪なども屋根裏の結露の原因になります。
いずれにしても黒い斑点はカビの可能性が高く、施工に何らかの不具合がある可能性が低くない事をお伝えしました。

中古住宅のホームインスペクションで最も多く見かける施工上の不具合は断熱施工で、ほとんどの住宅に何らかの不具合があります。
断熱工事は施工者も軽視する傾向が高いので、このように小屋裏や天井裏で結露が発生している事例はたびたび目にします。
気密性が低かった20~30年前の住宅では、断熱材の施工が不十分でも結露する事は少なかったのですが、近年の高気密住宅では断熱材の隙間や換気不足は結露の原因になります。

断熱材を後から充填すれば改善できる問題ですが、実際に工事を行うとなると簡単に済む場合だけではないので、中古住宅購入の際には事前に良く確認しておきたい部分です。

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本来必要な部分に断熱材がない例
中古住宅にはよくある事例です。

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