基礎コンクリートの水染み跡の原因と対処法

薪ストーブで「伝導火災」が続発しているといいます。
毎年100件以上の住宅で、煙突火災が発生しているというデータがあるそうです。
近年人気の高い薪ストーブですが、煙突と周囲に張られた木材との間隔が狭いと、「伝導過熱」が生じて次第に木材が炭化し、発火に至るといいます。
薪ストーブの火が消えてしばらくたってから、火災に気づく事が多いそうです。
煙突による伝導過熱を防止するためには、建築基準法施行令115条に規定が書かれているので、それを遵守する事が必要です。
また、もう一つの出火の原因である「煙道火災」を防ぐためには煙突の清掃が不可欠の様なので、薪ストーブを使用している方は注意して欲しいと思います。

一方では、太陽光パネルや架台などの強風による飛散事故が後を絶たないといいます。
流行に乗って多くの業者が薪ストーブや太陽光パネルの施工に参入していますが、いい加減な施工によるこうした事故に注意する必要があります。

さて、基礎のコンクリートや表面のモルタル塗り部分が濡れてしまっていて、不安に感じる方も多いと思います。
雨が降っていないのにいつも基礎が湿っていて、藻や苔が生えてしまっているケースも時々目にします。
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部分的に基礎が濡れている場合には、雨樋から落ちる雨水が跳ね返って基礎を濡らしていたり、給排水配管が水漏れしているケースもあります。
配管の水漏れは建物外部の配管だけでなく、建物内部の床下配管が水漏れしている可能性もあるので、床下点検口から確認したり、水道メーターで確認する必要があります。
常に基礎が湿っていて、臭いがない様なら、まずは給水管の漏水を疑います。

また雨が降った後に基礎が湿っている場合には、基礎周囲の地面の透水性が悪く、雨水を吸い上げてしまっている事例もあります。
上の写真のケースでは、基礎の立ち上がりに沿ってすぐ脇に横引きの排水管があるので、降雨時には基礎と排水管の間に水たまりができ、基礎が雨水を吸い上げている可能性が高そうです。

雨が降っていなくても、常に基礎が広範囲に渡って湿っている場合には、地下水の影響や床下の結露が原因として考えられます。
特に床下の結露が原因の場合には他の部分にも大きな悪影響を及ぼすので、専門家による調査を行い、床下の防湿対策や床下環境の改善(換気、断熱等)が必要です。

その他、基礎の上部から雨垂れの様な水染み跡がある場合には、外壁の通気層に雨水が侵入している可能性や、壁の中で漏水が発生している可能性があります。
この様なケースでも、一度専門家に調査を依頼した方が良いでしょう。

建物にいつもと違う異常を見つけたら・・・?

建物を長持ちさせる秘訣は、建物に何かしら異常を感じたら、まず原因を推測して調べてみる事が大切です。
原因によっては、そのまま放置しておいても問題のないもの、簡単な補修で済むので早めに直しておいた方が良いもの、しばらく経過観察が必要なもの、早急に修理しないと建物の耐久性を著しく損なう可能性のあるものがあります。
原因により対処法も異なるため、手遅れにならない様に半年に1度位は自分で建物全体を見渡して、以前と異なる点がないかどうかを点検する習慣をつけると良いでしょう。

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