建設業の人手不足

建設業の人手不足による倒産が増えている様です。
帝国データバンクが発表したデータによると、2017年4月から2018年3月までの1年間に従業員の離職や採用難による人手不足が原因で倒産した建設業者は31件で、業種別では最も多かったそうです。

人手不足を解消するために、従業員の定着率向上や新規採用を目指してやむなく賃上げを実施したものの、生産性を向上できずに倒産に追い込まれるケースも珍しくない様です。
特に労働時間が長い、責任が重い、理不尽な要求が多いなどの理由で、現場監督の離職率が高いのが問題となっています。
「働き方改革」が叫ばれる中、これからの建設業の経営はますます大変になりそうです。

AI時代に生き残るのは・・・?

一方では、10~20年後には、日本の労働人口の49%がAI(人工知能)やロボットで代替可能になるという予測があります。
住宅設計や、建物調査・診断業務などは、AIやロボットで代替可能な仕事の様に思えます。
過去のデーターを学習し、データをもとに細かく解析すれば、その規則性や関連性を見つけ出して判断や予測をすることができます。
これらの能力は、むしろコンピューターの方が人間よりも優れています。

住宅建築の生産過程の中で唯一代替が不可能と思われるのは、現場での施工でしょう。
危険な作業や単純な作業はロボットで代替できても、現場で起きる不測の事態や予期せぬトラブルに対して的確に判断し、迅速に対応するためには、まだまだ人の能力が不可欠だと思われます。

近い将来、住宅建築で必要な職種は、大工、職人だけになってしまうかもしれません。
建設業の人手不足が叫ばれる中、最も深刻なのは「職人不足」なのです。

一部の企業では、若手の社員大工や職人の育成を積極的に行う様になりました。
若手大工や職人の減少に危機感を持つ建設会社は少なくありません。
今のままでは、10年後の経営が立ちいかなくなると考えています。

特に、地域に根ざした小規模の工務店、リフォーム会社は、今までの様に外注に依存するやりかたでは、あと数年後には通用しなくなると思います。
仕事のある時だけ外注に依存し、給与や社会保険の加入まで外注任せにするのでは、良い職人を確保するのが困難になるでしょう。

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