昨今、築浅の戸建住宅のインスペクションの依頼が増えています。
引き渡し後数か月の間に立て続けに不具合が見つかり、住宅会社に対して不信感が生じて調査を依頼されるケースが多く、床下や小屋裏など隠れた部分の詳細調査を希望されます。
中には建築会社とすでにトラブルになっていて、係争中というケースもあります。
実際に調査を行うとまだ完成して間もないため、雨漏りやシロアリ被害、漏水などの不具合はさすがにほとんどありませんが、共通して発生頻度が高い施工ミスや不具合があります。
床下に多い不具合
・床断熱材の隙間や垂れ、落下
・基礎パッキンのハズレ
・柱の直下に人通口がある
・床束の浮き、未固定
・床下配管の固定不良
小屋裏、天井裏に多い不具合
・天井断熱材の隙間
・接合金物の締め忘れ、取り付け忘れ、取り付け不良
・雲筋違の固定不良
・換気扇ダクトの接続不良
施工ミスは全ての現場で起こりうる!
これらの不具合は、割と高い確率で発生しています。
住宅会社の営業マンは、「役所の検査や瑕疵保険の第三者検査があるので大丈夫」というのですが、これらの検査で完成後に床下や小屋裏をチェックすることはありません。
床下や小屋裏の確認ですべての不具合がわかることはありませんが、上記の様な不具合が数多くあれば、他にも重大な不具合がある可能性が高いと思います。
建築工事では手抜きをするつもりはなくても、あとでやろうと思っていてつい忘れてしまうことは起こりがちです。
人間が行うことに「ミスが絶対にない」ことはありません。
また、「これくらい良いだろう」という職人の勝手な判断によるものもあります。
これはモラルの問題です。
こうしたミスを防止するために、本来住宅会社の現場管理者による検査があるはずなのですが、職人任せにして検査が行われなければ、施工ミスや施工忘れが起きても何ら不思議ではありません。
床下や小屋裏には、構造や雨水の侵入に関わる重大な問題が潜んでいる可能性があるので、注意が必要です。
一度契約してしまうと、解約するためには様々な障害が発生します。
契約までに業者の技量やモラル、品質管理体制を良く見極める必要があります。