分譲マンションの大規模修繕と悪徳コンサルタント

9月半ばから私が住んでいるマンションの大規模修繕工事が始まりました。
現在足場の組み立て作業中ですが、現場事務所の設営や足場組立などの仮設工事に、すでに1か月以上かかっています。
完成までには半年以上工事が続きますが、安全第一で作業して欲しいと思います。

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悪質なコンサルタント被害の実態

さて2016年くらいから、マンションの大規模修繕時に管理組合から依頼を受けて診断・設計・管理組合の意思決定などをサポートするコンサルタントの不正が社会問題としてクローズアップされる様になりました。

管理組合から委託を請けた代理人の立場を悪用して、工事会社からバックマージンを取る悪質なコンサルタントや管理会社の存在は、実は業界内では以前から知られていました。

はじめに異常に安価な業務委託料を管理組合に提示してコンサル業務を受託し、工事会社からバックマージンを受け取るのが常套手段です。
バックマージンは工事費の3%から10%になることもあるといわれています。
管理組合は少しでも安い見積もり金額を提示したコンサルタントを選びがちなので、それが悪質なコンサルタントにとって絶好の付け入る隙になっています。

しかしそれは見た目だけの話で、結局は経済的な損失や工事の品質にも影響します。
コンサルタントへのバックマージンは工事価格に反映し、工事業者もコンサルタントの息のかかった業者に決定してしまうことが多いためです。
コンサルタント会社は修繕積立金の額を把握し、入札業者の選定などにも大きな影響力を持つので、自社にバックマージンを支払う工事会社が受注できる様に工作を行うことができます。

この様な悪質なコンサルタントが原因で生じる割高な工事費、必要のない過剰な工事内容、馴れ合いの工事監理などが現在社会問題となっています。

本来、コンサルタント会社には、管理組合と工事会社の間に立って、専門家としての立場から意見を述べ、管理組合の利益を守るために業務を進める役割があります。
工事会社からマージンを受け取っていて、この役割を果たせるはずがありません。

国土交通省ではこの様な事態を危惧して、相談窓口の活用を奨めています。
・住宅リフォーム紛争処理支援センター
 https://www.chord.or.jp/reform/consult.html
・マンション管理センター
 http://www.mankan.or.jp/06consult/tel.html

今後2000年以降に大量に供給されたタワーマンションが相次いで大規模修繕時期を迎えます。
修繕積立金不足が指摘される中、こうした被害にあわない様、十分に注意して欲しいと思います。

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