最近良く耳にするようになったリノベーション住宅。
中古住宅流通市場においてもリノベーション住宅の売買が増えている様です。
中古住宅を購入してリノベーションしようと思っても、完成後の仕上がりが不安な方や、予算オーバーが気になる方にとっては、既にリノベーション済みなので安心感があります。
リノベーション住宅なら仕上がり具合や仕様、設備等直接自分の目で確かめて購入する事が可能です。
従来の「現状回復のための修繕」のイメージを一新し、「新築当時以上の機能、価値を持たせる」事を目的とするリノベーション住宅への人気は高まるばかりです。
現在、多くの業者がリノベーション住宅の再販事業に参入しています。
ただ、注意して欲しいのは完成済の姿は見られても工事中の様子はわからないという点です。一口にリノベーションといっても正式な定義はなく、再販業者やリフォーム業者によって捉え方は様々です。中には内装や水回り設備を全面的に交換しただけでリノベーション住宅と謳っているものもあります。
近年では業界団体であるリノベーション住宅推進協議会が発足し、優良なリノベーションの基準を明確化して「適合リノベーション住宅」として制度化する等、以前と比較すればずいぶん安心できる様になってきました。
ただこうした基準を満たしたリノベーション住宅はまだわずかですし、基準を満たしているからといって公の検査があるわけではありません。施工品質は各再販業者やリフォーム業者の力量に左右されてしまうのが実情です。
そして再販業者は不動産業者がほとんどです。不動産業者の多くは建築のプロではありません。リノベーション工事はリフォーム会社や工務店に丸投げ(工事を一括して発注すること)している事が多く、もちろん品質管理も丸投げです。工事途中で再販業者自らが品質チェックを行うことはほとんどありません。
リノベーション住宅こそ売買契約前にはインスペクションをお奨めします。