定期的な大規模修繕といえばマンションを連想する方が多いと思いますが、計画的な修繕が必要なのは一戸建て住宅でも同じです。
住宅をできるだけ長持ちさせ快適に暮らしていくためには、適切な修繕計画を立てて修繕費用を蓄えておく必要があります。
では戸建て住宅では、いつ頃どんな修繕が必要になり、どれくらいの費用がかかるのでしょうか。
新築一戸建て住宅の築25年目までの修繕費の目安はいくら?
ごく一般的な仕様で一戸建て住宅(延べ床面積25~30坪程度の2階建て木造住宅)を新築してからの修繕時期と費用の目安は、おおむね次の様になります。
■築10年~12年
・屋根、外壁の塗り替え、シーリングの打ち替え 約100~150万円
・バルコニー防水 約20~30万円
・床下の防蟻処理 約20~30万円 ※以降5年ごとに実施
・給湯器、ガスコンロ交換 約40~50万円 合計 約180~260万円
■築20年~25年
・屋根の塗り替えまたは葺き替え(屋根材による)、外壁の塗り替え、シーリングの打ち替え 約100~200万円
・バルコニー防水 約20~30万円
・床下の防蟻処理 約20~30万円
・給湯器交換 約25~30万円
・ユニットバス交換 約80~120万円
・キッチン交換 約70~150万円
・便器交換 約20~50万円
・洗面化粧台交換 約15~30万円
・壁紙貼り換え 約50~80万円 合計 約400~720万円
その他水栓金具のパッキン等消耗品の交換の他、照明器具、エアコン、換気扇などの交換や、フローリングの貼り換え、建具の調整などが必要になる場合があります。
また、キッチン、ユニットバスなどの住宅設備機器は、グレードやサイズによって価格が大きく異なりますが、上記は平均的なものを使用した場合の金額です。
こうしてみると、築25年目くらいまでに最低でも600万円以上の費用がかかることがわかります。
住宅ローンの返済や毎月の生活費、子供の教育費などを考えると、修繕が必要になった時に急に修繕資金を用意するのは簡単ではないでしょう。
したがって、一戸建て住宅の場合にもマンションと同様に毎月一定の金額を積み立てておく必要があります。
上記の修繕費の目安をもとに計算すると最低でも毎月20,000円以上積み立てておく必要があるにもかかわらず、実際に修繕費を積み立てている方は少ないのではないでしょうか。
DIYでの修繕が盛んな欧米諸国に対し、我が国の住宅の寿命が短い理由の一つに住宅のメンテナンスに対する意識の低さがあります。
そしてメンテナンス意識の低さは空き家率の上昇にもつながっています。
適切な時期にメンテナンスを行う事は、住宅の寿命を延ばすために欠かせません。
しかしこれはあくまでも新築住宅の場合です。
中古住宅を購入する場合は、現在の劣化状況によって修繕費用がさらに大きく膨らんでしまうことがあります。
また配管の交換等が必要になる場合などもあるので、中古住宅を購入時に建物診断を依頼する場合には、将来的に発生する修繕費用のアドバイスまできちんと受けられる業者に依頼する様にしましょう。
過去に建物の修繕に関わった経験が豊富な業者であれば、できるだけ修繕費用を抑えるための提案や、修繕計画作成のアドバイスなどを受けることができます。
弊社でもご要望により、個別の修繕計画の作成を行っておりますので、是非ご利用ください。
住まいのメンテナンス計画の例
メンテナンスサイクルは、建物の仕様により多少異なります