木造住宅の人気が下がっています。
内閣府が今年11月29日に公表した世論調査によると、「住宅を建てたり購入したりする場合、どんな住宅を選びたいか」という質問に対し、木造住宅を選んだ人が1989年の調査開始以降最低の割合となり、初めて8割を切ったといいます。
特に在来工法の木造住宅離れが若年層を中心に目立っている様です。
現在、空き家問題が深刻になっていますが、空き家の多くが木造住宅なのでこの先非常に不安になります。
熟練の大工が激減していることもあって、この先国内の住宅事情は大きく変わるかもしれません。
さてこれから給料が下がる仕事1位~10位
第7位 大工(360,795円→173,701円 下降率-51.86%)
第8位 現場監督(353,572円→173,172円 下降率-51.02%)
だそうです。
因みに第1位は歯科医師(643,211円→175,263円 下降率-72.75%)になっています。
建築・不動産関連の仕事は他にも
18位 建築営業(299,399円→170,499円)
21位 建築設計(303,913円→175,979円)
49位 不動産営業(261,996円→172,067円)
の他、11位 建築技術者、12位 建設コンサルタント、14位 鉄筋工、17位 内装工、
22位 建築塗装工、24位 防水工、28位 電気工事工、29位 配管工など実に13業種が50位までを占めています。
このデーターがどの様にして算出されたのかはわかりませんが、建設業の先行きはあまり明るくないというのが近年の一般的な見解です。
一方、給料が上がる仕事の第1位は、2位 病院の調理員、3位 病院の介護職員、10位 診療所の介護職員などの介護関係の仕事を抑えて、意外にも縫製工(132,962円→226,684円 上昇率70.49%)だそうです。
アパレル業界は従来までの大量生産から、ひとりひとりのニーズに合わせた多品種、少量生産へ移行することが予想されるため、その担い手として需要の拡大が見込まれるためとのことです。
建築関係の職種で上位50位に入っているのは、18位 建築事務職、40位 建築会社の経理事務のみです。
東京オリンピックが終わって建設需要が一段落すると共に、今後高齢化や人口減少が進んで空き家が増え続けるとなれば、新築住宅の需要が減り続けるのは確実でしょう。
住宅リフォームの需要は増えるかもしれませんが、大手ハウスメーカーをはじめ多くの住宅会社がリフォーム業にシフトするため、益々競争が激化することが予想されます。
そして昨今のDIYブームが拍車をかけます。
塗装や珪藻土塗り、簡単な大工仕事や壁紙の貼り替え程度であれば、DIYで行うことも可能です。
また、AIが今までの仕事の進め方を激変させるともいわれています。
AIにできる仕事はAIで行う様になるのはごく自然の流れです。
AIによる住宅診断や建物調査も今後増えていくと思われます。
現在のほとんどの仕事がAIに取って代わられると言われている時代の中で、どれだけ人に寄り添うことができるかが、これからの建設業(とくに人の暮らしに密接する住宅業界)の中で生き残るカギになるのではないでしょうか。
自社の利益だけを追求するあまりに、合理化や省力化ばかりを目指している様だと、これから先は生き残っていくのが難しくなると思います。
これはホームインスペクションなどの建物調査でも同じです。
どんなに便利な調査器具や診断ロボットが開発されても、人によってそれぞれ異なる不安が解消できなければ意味がありません。
新たな年を迎えるにあたって、今まで以上にクライアントの心に寄り添った住宅診断を心がけていきたいと思います。