これからの賃貸住宅市場とインスペクション

千葉県のホームインスペクション専門会社匠住宅診断サービス代表の亀田です。

総務省「住宅・土地統計調査」によると全国の空き家数は2018年で約848万戸になり、住宅総数(約6,240万戸)に占める空き家率は13.6%になりました。(約7〜8軒に1軒が空き家になります)

空き家率は、山梨県を筆頭に長野県や和歌山県で高い率を示し、東京都や神奈川県などの都市部では10%台と全国平均を下回っています。

しかし空き家数となると、東京都は80万戸を超えていて、ダントツの全国1位です。

都市部は住宅の数が多いので、たとえ空き家率が低くても空き家の数は多くなり、実際に東京都、大阪府、神奈川県、愛知県の空き家数の合計は、全国の空き家総数の約3割を占めるといいます。(逆に空き家率の高い上位5県の合計空き家数は、全体のわずか6%程度です)

そして注目すべきなのは、約848万戸の空き家のうち賃貸住宅の空き家が約432万戸を占め、全体の半数以上になっていることでしょう。

また空き家というと戸建て住宅ばかりを思い浮かべがちですが、東京都においては、約80万9000戸の空き家のうち約70%がマンションやアパートなどの共同住宅の空き住戸になっています。

したがって賃貸住宅の経営は決して楽ではなく、今後益々競合が激しくなって厳しくなるものと思われます。

特に築年数が古くなるほど間取りや住宅設備の陳腐化、耐震・断熱・防音・防火などの住宅性能の低さ、デザインの古さなどがネックになるので、周辺に新築アパートが建つ様になると急激な空き家率の悪化や賃料の低下を招くことになります。

もはや共用廊下に洗濯機置き場がある住宅や、3点式ユニットバスの住宅などは、よほど立地が良くない限り、かなり安く賃料を設定しないと入居者が付くことは期待できません。

更にこれからは相続もますます増えると思うので、親から相続した住宅の多くが賃貸住宅に転用されることが予想され、更に厳しい競争に巻き込まれてしまう可能性があります。

これらの激動に備える上でも、賃貸住宅では住宅性能の向上や、給排水管の更新、間取り変更などの対策を早めに打っておくことが大切になります。

その際には、事前にきちんとした住宅診断を行って、無駄のない適切なリフォーム計画を立てる様にしてほしいと思います。

リフォーム会社に言われるままの工事を行っていたら、収支が合わなくなってしまうことにもなりかねません。

弊社では賃貸住宅のリフォーム前インスペクションも行っています。

リフォーム経験豊富なインスペクターが対応しますので、是非お気軽にご相談下さい。

 

共用廊下に洗濯機置き場がある共同住宅と昔ながらの3点式ユニットバスの事例

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