千葉県のホームインスペクション専門会社匠住宅診断サービス代表の亀田です。
私は過去30年程住宅会社に勤務していて、新築工事の現場監督及び住宅リフォーム事業に長く携わっていました。
とくに後半20年程は住宅リフォーム事業の責任者をしていたので、弊社には時々リフォームでトラブルを抱えた方からの相談や調査の依頼があります。
今月の初めにもリフォームの不具合調査の依頼がありました。
依頼の内容は、施工した内容が約束していたものと違っていたことからリフォーム業者に不信感を持つ様になり、工事が終了していろいろと調べていくうちにいくつかの不具合を発見したというものでした。
しかし詳しく聞いて見ると工事内容が細かく記載された見積書や図面がなく、ほとんど口約束だけで工事を行った様なので、第三者に対して約束した工事内容を証明できるものは一切ありませんでした。
(唯一工事請負代金を取り決めた工事注文書と簡単な見積書だけが存在していました)
リフォームではこの様なトラブルが非常に多く発生しています。
リフォーム業者の方でも解体してみてからでないとわからない点が多いので、最初に総額の予算だけざっくりと決めておいて、後は着工してから細かな工事内容を調整するといった安易な方法をとる業者がいることは間違いありません。
この現場もその様な形で工事が行われたと推測できました。
既に工事代金の支払いも全て終わっているとのことだったので業者との話し合いは非常に難航することが予想されましたが、幸いにしてこの現場ではリフォーム会社が手直し工事に応じることになり、先日完了検査も無事に終了しました。
しかしこの様なケースは非常に稀で、工事代金を既に支払ってしまった場合には業者に逃げられてしまうことがほとんどです。
詳細な見積書や図面、契約書がなければ取り決めた内容がわからないばかりでなく、万一の事態の際に第三者に対して約束した内容を証明することもできません。
特にリフォームのトラブルではこのような問題が多いので、契約する前にはリフォーム業者に詳細な見積書や図面を提出してもらい、その後の打ち合わせの内容は必ず書面に残しておくことが大切です。