中古住宅購入の際には点検口の有無を必ず確認する!

千葉県の住宅診断専門会社匠住宅診断サービス代表の亀田です。

帝国データバンクの調査では新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、「建設・工事業」の倒産件数は「飲食店」に次いで2番目に多く、他業種との差が広がっているとのことです。
一方で不動産市場、とりわけ住宅市場は好調で、中古マンション、中古一戸建ての成約件数が大幅に伸びているといわれています。
今後の動向から目が離せません。

さてその様な中古一戸建て住宅の購入希望者から依頼されて住宅診断を行っていると、時々小屋裏や床下の点検口がない家を見かけることがあります。
これらの点検口の有無は建築に携わっていない人にとってはあまり気にならないので、一般の方は中古住宅を購入する際にたとえ点検口がなくても気にかけないことが多い様です。

点検口は天井裏や床下などの状況を確認したり、天井裏や床下の配線や配管を調べたりする時に必要なもので、建物の調査や維持管理を行う上で不可欠なものです。
また点検口があることで、雨漏りや配管からの漏水などを定期的に点検することが可能になり、専門家がここから侵入してチェックすることで施工技術の水準や施工ミスの有無なども確認することができます。

点検口は通常、新築時に最上階の天井と1階の床に設けられます。
天井点検口は最上階の収納内(押し入れ内)の天井に設置されていることが多く、押し入れ内の天井が一部蓋の様になっていて、これを横にずらすことで屋根裏を点検できる様になっています。(下の写真参照)
最近の住宅の多くは浴室がユニットバスになっていて、ユニットバス内にも天井点検口が設置されていますが、浴室の天井裏のスペースは狭くて人が入っていけないことが多く、これだけでは不十分です。
また床下点検口は台所や洗面所に設置されていることが多く、床下収納としての機能を併せ持っているケースがほとんどです。
点検口のサイズは60cm×60cm以上が望ましいのですが、最低でも45cm×45cm以上は必要です。

私たちがホームインスペクションを行う際には、これらの点検口から覗いて調査したり、ここから侵入して調査を行ったりします。
点検口から確認することで、雨漏りや漏水の有無、シロアリ被害の有無、断熱施工の有無、基礎のひび割れの有無等の重大な情報が得られるほかに、構造材の変形や金物の取り付け不良などが見つかることもあります。
点検口はそれほど重要なものですが、稀にリフォーム済の物件などでは点検口が故意に塞がれてしまっていることがあります。
不具合を見せない様にあえて点検口を塞いでしまっていることも考えられるので、こうした物件には注意が必要です。
そしてたとえ不具合がない場合であっても、点検口は建物を維持管理していく上で不可欠なものなので、点検口がない場合には後々支障が生じてしまいます。
将来的にメンテナンスを行うタイミングでは必ず必要になるものなので、点検口がない様であれば可能な限り売り主さんに点検口の設置を依頼しておく様にしましょう。

押入内にある一般的な天井点検口

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