気を付けたい無料工事商法の罠

勝浦市や鴨川市、南房総市などの千葉県房総半島南部の海が見える場所で住宅のホームインスペクションを依頼される事が時々あります。
多くがセカンドハウスや別荘として購入を検討されているケースですが、窓から眺める大海原や波の音などとても魅力的です。
このような場所で建物調査を依頼されると、思わず気分が高揚してしまいます。
しかしこの様な場所に建つ建物は、塩害被害に注意が必要です。エアコン室外機や給湯器などの機械設備の劣化が早くなります。
サビの発生ばかりでなく、機械内部に入り込んだ塩分による故障なども発生しやすくなるので、後からこんなはずではなかったとならない様、注意してください。

さて、近年は少し前と比べてリフォーム詐欺による被害がマスコミに報道される機会が少なくなりました。
しかし、巧妙な手口を使った詐欺まがいの営業は、今でも行われているので注意が必要です。

先日、「火災保険を利用して、無償で屋根工事を行うという話を聞いたが本当か。」という質問がありました。
「火災保険を使えば屋根の修理がただでできる!」
確かにこのような広告を見かける事があります。

火災保険で無償で屋根修理ができるって本当?

火災保険は、火災にしか適用できないと思われがちですが、台風、突風、竜巻、落雷、水害、ひょうなどの自然災害にも保険が使える事があります。
これらの自然災害によって屋根が破損して、修理が必要になった場合には、保険会社に申請して火災保険で修理できる可能性が高いと思います。
しかし、保険会社に申請するためには、工事費用の見積書や損傷箇所の写真、損傷した日付の特定などが必要になるため、業者に依頼する必要が生じます。
ここに詐欺業者がつけ入るスキがあるので、注意が必要です。

この様な業者の手口としては、訪問などで火災保険で屋根工事が無償になる事を持ち掛けた上で、調査と称して屋根に上り、屋根や雨樋等を意図的に壊す、市場価格とかけ離れた見積書を提出する、保険が下りる前に工事を行う、保険が下りなくて工事をしない場合に調査手数料や解約手数料を請求するなどがあります。

また、屋根の経年劣化による破損などは保険の適用外なので、これを自然災害によるものと偽って保険申請したり、保険が下りても工事を行わないで被保険者と工事会社で現金を山分けするなども犯罪行為となります。
こうした業者では、偽った申請で保険を下すための方法や、できるだけ多くの保険金を引き出す方法などに長けている事が多いと思いますが、決して信用してはいけません。

せっかく火災保険に加入しているのであれば、その権利を知らずに活用しないのは勿体無い事です。
しかし、明らかに老朽化による破損と知りながら、業者の営業トークに乗せられて保険会社への申請を依頼するのは避けるべきでしょう。後々大きな罠が潜んでいるかもしれません。「タダほど高いものはない」のです。

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