千葉県のホームインスペクション専門会社匠住宅診断サービス代表の亀田です。
新型コロナウイルスの感染拡大が止まりません。
今後一層生活様式の変化が予想される中で、テレワークに適した住宅へのリフォーム費用を補助する制度が創設されるといいます。
長期優良住宅化リフォーム推進事業の補助対象を拡充する形で、テレワークに適した住宅へのリフォーム費用が補助されることになる様です。
インスペクションの実施などの必須要件を満たした上でテレワーク対応の間仕切り壁の設置や防音対策のリフォームを実施した場合には、工事費などの費用の1/3が補助されることになる様(限度額は1戸あたり100万円)です。
ほかにも様々な補助制度がある様なので注目です。
さて近年は外皮(建物の外周部分の構造体を指し、外壁、屋根、外気に接する床、窓等のこと)に耐久性の高い材質のものを使用した住宅が増えてきました。
屋根材や外壁のサイディングなどが代表的です。
しかし中には10年程度でダメになってしまう製品がいまだに使用されているケースもあります。
昨年は単にホームインスペクションの依頼だけでなく、外皮の建築資材に関する調査の依頼や相談を数多く受けました。
例えばサイディングには耐候性の高い製品が使用されているもののシーリングが普及品であったために、結局10年後には足場を掛けてシーリングの打ち替えが必要になってしまうケースもあります。
またシーリングレス工法のサイディングを採用しているもののサッシや給排気口廻りがシーリングだったため、シーリングを打ち替える際には足場が必要になってしまうこともあります。
通常、外壁を塗り替える際に足場を組んでシーリングの打ち増しや打ち替えを同時に行うので、これでは大きなコストダウンにはつながりません。
建築会社や不動産会社が見映えや新しい工法にこだわる一方で、消費者にわからないところでコストをあまりかけずに販売価格を抑えたいという矛盾がこうしたちぐはぐなことにつながってしまうのです。
一方長期修繕計画においても、屋根や外壁のメンテナンス、シーリングの打ち替え、バルコニー防水工事などをメニュー化して建て主に提示しているものの、30年目までに費用が500万円以上かかってしまうケースも珍しくありません。
他にも30年目までには給湯器や住宅設備機器などの交換や内装工事も必要になると思われるので、住宅ローンを抱えた建て主にとっては簡単に負担できるものではありません。
近年では30年保証付きの屋根材や30年以上塗り替えが不要とする外装材、耐久性の高いシーリング材や防水材などが相次いで登場しているので、多少初期のコストアップになったとしてもこれらの高耐久製品をバランスよく組み合わせることが大切です。
外壁シーリングレス工法