雨漏りの原因調査

住宅診断専門会社匠住宅診断サービス代表の亀田です。

我が国の気候は一年の中に梅雨や秋雨前線の影響で雨が非常に多い時期があり、特に近年は、ゲリラ豪雨の発生や台風が関東・東北地方に上陸するケースが増えて、気象条件が年々厳しくなる傾向があります。

一方、近年新築される住宅は、立地条件やデザインの面から軒の出が少なかったり(軒の出がない軒ゼロ住宅もあります)、ルーフバルコニーがあったりと、防水面からは問題のある住宅が増えています。

住宅トラブルで最も多いのが雨漏りに関することといわれていますが、私共にも雨漏りに関する相談が時々あります。

雨漏りというと屋根を連想しがちですが、屋根からの雨漏りはそんなに多くはなく、あっても比較的原因を容易に究明することができます。

最も多いのがサッシ廻りや、屋根と外壁の取り合い部分、バルコニー廻り、バルコニーと外壁の取り合い部分などからの雨漏りです。

また、バルコニー出入り口のサッシとバルコニー床面との段差が少ないと、サッシの下端から雨水が侵入してしまうことがあります。

雨水は上から侵入するものと思いがちですが、強風時には下から上へと雨水が伝ってくることがあるためです。(雨天時に高速走行中の車のフロントガラスを雨水が下から上へと上がってくるのと同じ現象です)

本来であれば段差がない方が出入りしやすいのですが、雨漏り防止の観点からはサッシの下端の立ち上がり寸法は、12cm以上確保することが必要です。

その他では、バルコニーの笠木(手摺壁の頂部に取り付ける金物)周りや、笠木と外壁の取り合い部分なども雨漏りしやすい場所です。

きちんと施工されていればここから雨漏りすることはありませんが、施工不良や手抜き工事があると雨漏りの原因になります。

その場合には、目視ではなかなか不具合が発見できないため、一度笠木を取り外して確認することが必要になるケースもあります。

雨漏りの原因は様々です。

数年に一度くらいしか雨漏りしないからと放置しておくと、柱や梁などの構造躯体が腐食してしまい、建物に大きなダメージを負うことにもなりかねません。

雨漏り修理は、その原因が台風、暴風、竜巻などの自然災害によるものであれば、調査費用、修理費用に火災保険が適用できるケースもあるので、早めに信頼できる人に相談することが大切です。

 

バルコニーサッシの下端・・・防水層の立ち上がりが少なく隙間がある場合には、強風時にはここから雨漏りしてしまう可能性が高い

 

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