15年後の住宅市場はどうなるのか?

東京都庁の雨漏りが酷い状態になっていたといいます。
雨漏り補修工事は、すでに終了している様ですが、独特なデザインがネックとなり、補修費用は約10億円といわれています。
他にも空調や衛生関連の設備、配管なども更新時期を迎えていて、工事完了予定の2018年までの総工費は、概算で780億円とも1,000億円ともいわれます。
世界的建築家が設計し、当時の最新の建築技術を駆使して建てられた「首都の顔」が、今では負の遺産となりつつあるというのは、ショッキングな話です。
それにしても、建築当時はメンテナンスコストの事を考えなかったのでしょうか?・・・不思議です。
全て税金で賄うものなので、誰もメンテナンスの事など真剣に考えていなかったのかもしれません。

さて、(株)野村総合研究所は昨年の6月15日に、「2030年度の新設住宅着工戸数は53万戸に減少する」とのこれまたショッキングな予測を発表しています。
これはバブル崩壊後のピークであった1996年度の約163万戸と比較すると、ほぼ1/3の水準になります。
この予測通りに推移すれば、2030年までに、多くの住宅会社の経営が成り立たなくなるでしょう。住宅会社の熾烈な生存競争は既に始まっています。

一方リフォーム市場についても、10年以上前から拡大する事が期待されていましたが、現状成り行きでの大きな成長は難しく、広義のリフォーム市場規模(※)は2030年まで年間6兆円台で横ばいに推移すると予測しています。(政府は20兆円に拡大させる目標を掲げてきましたが、遠くおよびません。)
※エアコンや家具等のリフォームに関連する耐久消費財、インテリア商品等の購入費を除いた狭義の市場規模では5兆円前後。

リフォーム市場の活性化に向けては、行政主導の政策的支援(リフォームローンの整備や税制面での優遇など)が必要な事は以前から言われていますが、工事品質の向上や価格の透明性の確保など、リフォーム会社の創意工夫が不可欠です。また、悪質リフォーム業者の排除など、業界全体のイメージアップも求められます。

転換期を迎えた住宅業界

住宅の平均築年数は2013年では約22年でしたが、国の長期優良化の施策により2030年には29年程になると予想されています。
ホームインスペクションの普及によって中古住宅の流通が活性化すれば、住宅は世代や居住者を変えながら更に長期に渡って活用される様になります。
今後住宅会社は、生き残りをかけて、既存住宅の流通やそれに伴うリフォーム需要を喚起するための仕組みづくりに、大きく舵を切る必要があると思います。
また、新築住宅では、省エネやメンテナンスコスト削減が大きな課題となるでしょう。
住宅業界は今、大きな転換期を迎えていると思います。

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